カプコンを攻撃したのは誰か 「世界で最も有害」なサイバー犯罪集団の正体:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
カプコンがサイバー攻撃を受けた。最大35万件の個人情報が流出した可能性がある。その攻撃を仕掛けたのはどんな集団かというと、世界的に暗躍するロシア系のハッカー集団だという。他にもランサムウェアによる攻撃は勢いを増しており、対応を急ぐ必要がある。
顧客情報など最大35万件が流出、身代金要求には応じず
まずはじめに、この攻撃について簡単におさらいしたい。
同社が攻撃に気がついたのは、11月2日のこと。社内システムへの接続障害が確認されたことで、直ちに調査を開始し、ランサムウェア攻撃によってサーバが攻撃者によって暗号化されたことを把握した。
そしてシステムの暗号化を解くための身代金要求があった時点で、大阪府警に通報し、その後で迅速に不正アクセスによるシステム障害が発生したことを公表した。
大手企業ほどサイバー攻撃の被害は公開したがらない傾向がある中で、素早い対応だったといえる。同社のプレスリリースによれば、「欧州GDPR監督官庁(ICO)、個人情報保護委員会(日本)にシステム障害の発生につき、報告しています」としている。
ただすでに被害は出ていた。従業員や元従業員の個人情報などが盗まれ、日本や北米の顧客情報も最大で35万件が盗まれたという。また売り上げや取引先情報、内部資料といった同社の重要な情報も奪われている。
そして11月9日には攻撃グループが自らのWebサイトを使って英語で声明を発表、11日には同社から奪った情報の一部、60ギガバイト分を公開した。さらに攻撃者側は1テラバイトという大量の情報を持っているとし、1100万ドル(11億円ほど)の身代金を支払うように要求した。
だがカプコン側は身代金の支払いには応じないと決定。支払ったところで暗号を解除できる保証はないし、同様の攻撃を助長することにもなりかねないからだ。その決断により、結局さらに大量の情報がWebサイトで暴露されることになった。
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