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LINEで“濃い”関係づくり、売り上げ1.3倍に コメ兵が見据える中古品ビジネスの将来像「近づけない、集めない」時代を生き抜く、企業の知恵(4/4 ページ)

中古ブランド品売買のコメ兵は、オンラインとリアルの接客を組み合わせたサービスを強化している。コロナ禍では「LINE接客」を活用し、店員1人当たりの平均売り上げが1.3倍に伸びた。デジタル活用の目的は“非接触”だけではない。顧客との“濃い”関係づくりだ。

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リアルの接客は小さく、“濃い”ものに

 顧客体験の幅を広げるため、店舗展開の在り方も変化させつつある。18年から、広さ10〜20坪(約30〜60平方メートル)の小型店の出店を強化。商品を陳列しない買い取り専門店だ。以前は出店していなかった住宅街や商業施設内にも出店を始めている。

 藤原氏はその目的について「まだまだモノを売ったことがある人は少ない。買い取りサービスのハードルを下げることが必要」と説明する。顧客にとって利便性が高い地域に、機能を絞った店舗を出すことで「利用してみようかな」と思ってもらう戦略だ。

 「ECサイトで商品を見て、家の近くの店舗に取り寄せて購入できるような形式も広めていけたら」と藤原氏は話す。小型店は、ブランディングを担う大型店とは役割が異なる。オンラインと組み合わせて機能的に利用できる店舗として認知してもらえる可能性も高い。今後も顧客ニーズに応じて小型店を広げていく方針だ。

商業施設に出店した買い取り専門店の外観と店内

 アフターコロナではオンライン活用の重要性がますます高まっていくが、藤原氏は「(コメ兵は)完全なECの企業にはなれないし、お客さまも望んでいない」と言い切る。「フィジカルの接客を小さく、しかし“濃い”ものに」(藤原氏)するために、デジタル活用の環境を整備し、社員のリテラシーを高めることが課題だという。

 コロナを機にオンライン接客を取り入れた企業も多いだろうが、ただ「接触せずに接客する」ことだけが目的ではもったいない。商材や業態によって顧客が求めるものは異なる。オンラインでも、ニーズを理解した上でサービスを提供することが成功のために必要だろう。

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