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中国が覇権奪取に利用? 「QRコード」がコロナ禍で世界から注目されるワケ世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)

G20サミットで中国の習近平国家主席が「QRコード」に言及。新型コロナ対策などで主導権を握ろうとしている。日本で生まれたQRコードは、コロナ禍を機に、中国に限らず世界で利用が進む。感染対策や非接触サービスをきっかけに、利用範囲が広がっていきそうだ。

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QRコード“軽視”の欧米でも普及が進む

 ただこうした国家的な思惑とは別に、日本を含めた世界に目をやると、QRコードの利用は増えつつある。実は欧米ではこれまでQRコードは軽視されてきた歴史があり、あまり普及してこなかった。それがついに変わってきており、その理由はやはり新型コロナである。

 というのも、レストランなどでも人との接触が感染拡大のリスクになるとして、QRコードによるサービスを始めるところが増えているからだ。使われ方は、お店の前でQRコードを読み込んでスマホなどでメニューにアクセスして、オーダーを行う。料理ができたらメッセージが届き、あとは決済をして受け取るだけである。最小限の接触で済むため、安全だ。

 また米国では、大手決済サービスのPayPal(ペイパル)がQRコードの導入を始めているし、若者の間で人気のVenmo(ベンモ)といった個人送金サービスもQRコードを使い始めている。有名薬局チェーンのCVSではペイパルやベンモをQRコードで使える店舗を次々と増やしている。


米国でも、非接触サービスとしてQRコードの導入店が少しずつ増えている

 今のところ、米国ではまだ広く普及していると言い難いが、コロナ禍でこれから広がっていく可能性があるという声もある。

 統計調査会社スタティスタによれば、米国や英国の消費者の47%が、新型コロナが蔓延してからQRコードを以前よりもよく見るようになったと答えている。

 シンガポールやインド、香港、フィリピン、ガーナなどではQRコードによる決済システムが最近導入されている。シンガポールでは政府が主導して管理するために「SG(シンガポール)QR」という名前が付けられている。新型コロナでこの流れが加速するのは間違いないだろう。

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