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マツダMX-30で1800キロ走って見えたもの池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/8 ページ)

そもそもMX-30に与えられた使命は、電動化の牽引役だ。年明けにはいよいよ国内でもEVが出る。これは以前プロトタイプに乗ったが、スーパーハンドリングマシーンと呼べる出来になるはずである。次の時代に向けた実験的取り組みは、全てこのMX-30がテストベッドになる。そのクルマの基礎素養がこれだけ好もしいものであったことで、期待は高まろうというものだ。

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いざ走り出す

 運転席に座ると、いろんなものがしっくりくる。まず最近のマツダ車はシートが非常に良い。特にMX-30では革シート信仰がないので、積極的に布シートが選べる。この生地が風合い、肌触り、面の張りともにとても良い。着座した時の空間での頭の位置にも違和感がないし、ステアリングやペダル類もすっと手足を伸ばした位置にちゃんとある。

 室内のそこここにあしらわれたファブリックはペットボトル由来の再生材で、合皮にも有機溶剤を使わない。センターコンソールにあしらわれたコルク材はワインの栓の端材から作られており、SDGs的社会に大いに目配りしたものになっているが、それより大事なのは、それらがトータルで心地よいことだ。


マツダの流儀で、派手な加飾なしにキチンと読めるメーター類が秀逸。インテリアテイストも落ち着きのあるいいデザインである

 メーターからインパネ、センターコンソールに至るまで、明るく現代的かつちゃんとスタイリッシュ。ボルボっぽいと言えばそうだが、バング&オルフセンあたりのようなイメージもあり、カッコよくしようという意図で作られているが、その意図が空回りしていない。

 R-N-Dと直線に並び、Rの右にPを配した目新しいシフトの配列も直感的で使いやすい。パーキングは電動で最近慣れたとはいえ、この小さなスイッチだけは、人間工学面でちょっとマツダらしくないともいえるが、ブレーキホールドなどのADASとの整合を考えると電動パーキングの採用はもはや止む無しだろう。ただ他社並みでしかないインタフェースは、マツダ的に一考の余地があるのではないか? それだけマツダの人間研究には期待をしているのだ。


センタコンソールは上段を浮かせて、二重につくられている。なかなか個性的

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