「40代の悩み」に絞った戦略で売り上げ2倍に マンダム「ルシード」ブランドの挑戦(1/4 ページ)
化粧品大手のマンダムが40代男性に向け展開する「ルシード」ブランド。かつては若者向けのブランドだったが時代の流れから売り上げが低迷。回復への起爆剤として同社が取り組んだのが40代をターゲットにした戦略だった。
近年注目を浴びる男性化粧品。調査会社のインテージ(東京都千代田区)によると、2019年の市場規模は対15年比で9%増。特に購入率が大きく伸びた年代は40〜60代だ。各化粧品メーカーが男性向け商品を発売する中、いち早く40代のミドル世代をターゲットにした戦略で売り上げが回復したブランドがある。化粧品大手のマンダムが販売する「ルシード」だ。
ドラッグストアやホームセンターなどで販売するルシードは、1000円前後の手に取りやすい価格設定で40代男性を中心に人気を集めている。現在、スタイリング、スカルプケア、ヘアカラー、ボディーウォッシュ、フェースケアの5カテゴリーを中心に58アイテムを展開する。
今でこそ「ミドル世代」の男性向け化粧品ブランドと知られるルシードだが、発売当初は、若者をターゲットにしたブランドだった。
1989年に発売したルシードは、ヘアスタイリング剤ブランドとして誕生。時代はバブル全盛期。化粧品メーカー各社がデザインや色、香りなどさまざまな付加価値を加えて販売していた中、ルシードは今までになかった「無香料」の男性化粧品というコンセプトで販売。清潔志向の強い学生をメインターゲットに、ヘアフォームやジェルなど10アイテムを投入した。
化粧品や整髪剤も香り付きが当たり前だった時代。「シンプルで無香料」という真逆の戦略は若者を中心に受け入れられ、さらに、強い香りが適さない医療関係者や飲食業界で勤務する人などからも支持される結果に。ルシードブランドは着実に売り上げを伸ばし「無香料」という新たな市場を確立していくことになった。
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