「40代の悩み」に絞った戦略で売り上げ2倍に マンダム「ルシード」ブランドの挑戦(4/4 ページ)
化粧品大手のマンダムが40代男性に向け展開する「ルシード」ブランド。かつては若者向けのブランドだったが時代の流れから売り上げが低迷。回復への起爆剤として同社が取り組んだのが40代をターゲットにした戦略だった。
「半歩先を行く提案」を シワ改善クリームやコンシーラーを展開
ルシードが開拓した「ミドル世代」の男性化粧品市場。その後、他社もミドル世代向けの商品を展開し、市場はさらに活性化してきている。倉石氏は、市場の先駆者として「半歩先を行く提案をしていきたい」と今後の抱負を語る。
8月には、シワやシミ改善クリーム「ルシード アドバンスドケアシリーズ」を発売。男性化粧品として初めてシワ改善をうたう商品だ。また、日常のスキンケアではすぐに治せないシミや、目の下のくま、青ヒゲなどを隠すコンシーラー2種類と、ローションも展開した。コンパクトタイプのコンシーラーは男性でも持ち歩けるよう、手帳をモチーフにしたレザー調のデザインを採用した。
「清潔志向が高まり、化粧品に対する知識も増えていく中で、高機能な商品も受け入れられるのではないか。少し“とがった商品”でも、受容され広がっていく時期ではと思い、商品の構想を進めた」(倉石氏)
新型コロナウイルス感染拡大でリモートワークの普及が進んだことも市場を変化させるきっかけとなった。同社が40代男性を対象に行った調査では、複数人でのWebミーティングで「一番自分の顔を見る」と回答した人が18.3%。また、自分の顔について「若く見える」(7.5%)よりも「老けて見える」(54.1%)と感じていると答えた人が多くなった。倉石氏はリモートワークをきっかけに自分の顔の変化に気付き、男性がスキンケアに向き合いつつあると話す。
コロナ禍を機に、新しい動きを見せる男性化粧品市場。ルシードの「半歩先を行く提案」は新しいトレンドを作るきっかけになるだろうか。
関連記事
- 最後発なのに発売3週間で2000万本突破 「キリン 生茶 ほうじ煎茶」が好調なワケ
キリンビバレッジが9月に発売した「キリン 生茶 ほうじ煎茶」が売れている。発売から3週間で販売数量が2000万本を突破。同社が2017年からの3年間で発売した新商品の中で最速の記録だという。その理由は…… - お肌の手入れをするおじさんが増加! 背景にある「女性の社会進出」と「オンライン会議」
インテージの調査によると、男性用化粧品の2019年の市場規模は対15年比で9%増となったという。特に購入率の伸びが多い年代は40〜60代。スキンケアを意識していなかった年代が、基礎化粧品を使用するようになった理由は? - 22年卒の就職先人気企業ランキング コロナ禍の影響顕著に
就職情報会社のダイヤモンド・ヒューマンリソース(東京都文京区)が12月8日、2022年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生の就職先人気企業ランキングを公表した。 - カネボウが「小顔シルエットマスク」発売 メークとあわせて提案
カネボウ化粧品は、化粧品ブランド「KATE」(ケイト)のマスク「小顔シルエットマスク」を12月15日に数量限定で発売する。 - シャープがマスクの定期便サービス開始 毎月30枚を自宅に届ける
シャープは、不織布マスクを定期的に購入できる「マスク定期便サービス」の申し込み受付を開始する。申し込み順に、12月下旬から発送する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.