ローソンは、短期人材のオンライン採用サービスなどを手掛けるMatchbox Technologies(マッチボックステクノロジーズ、新潟市)とローソンスタッフが提供する短期人材採用サービス「matchbox(マッチボックス)」の導入実験を開始した。2021年2月末までは埼玉県、千葉県、東京都内の500店舗を対象に実施し、検証結果を踏まえて同年3月以降に全国での導入を目指す。
マッチボックスは一括求人と労務管理を同時に行うサービス。募集の3時間前までに店舗が求人する日時や人数、時給、条件などを登録し、求職者が条件に合う店舗を選択して応募すると、その中から店舗側が勤務者を選定。すぐに当該店舗で勤務できるようになる。登録する求職者は、外部求人サイトやSNS広告などを通じて募集する。
採用された人材のマイナンバー、勤怠、給与、外国人ビザなどの労務関係もマッチボックス上で管理されるため、業務効率化が期待できる。また、社員・OB・OG・ソフトウェアを通じて採用された社員の全てを導入店舗独自のデータベースで管理できるので、必要に応じて対象者に求人を出せるようになり、効率的な採用が可能となる。
人材マッチングが成立した場合の手数料は店舗側が負担することになるものの、直接雇用形態のため、一般的な人材派遣と比べて費用を抑えられる。また、費用はいったんローソンスタッフが立て替え払いをして、ローソンの毎月の会計処理で精算する。そのため、店舗側の会計処理もより簡略化できる。
コンビニ業界ではアルバイトなどの応募者は増加傾向にあるものの、病気などによる急な欠勤時のシフト充足需要が高い。また、応募側も子育てや仕事の合間に勤務したいなど、多様な働き方を求める人が増えている。
ローソンによると、6月に埼玉県と神奈川県内の合計3店舗で行った先行実験では、募集した全10シフト全てでマッチングが成立し、シフトの空きが解消されたという。昨年、竹増貞信社長に実施したインタビューでも、「デジタルを使って効率化していく」と話していた。マッチボックスが人材不足解消につながる取り組みとなるか、今後の展開に注目が集まる。
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