3000人規模の納会をオンラインで DMM.comが考える新しい社内交流:アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/3 ページ)
DMM.comは、関連会社などを含めた約3000人の従業員を対象とした納会と忘年会をオンラインで開催した。どのようにイベントを運営し、何を意識したのか。当日の様子を取材した。
アフターコロナ 仕事はこう変わる:
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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2020年も残りわずか。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、忘年会や納会を実施しなかったという企業も多いのではないか。そんな中DMM.comは、約3000人の従業員を対象とした納会と忘年会をオンラインで開催した(関連会社など含む)。オンラインでの忘年会は同社初の試みだという。どのようにイベントを運営したのか、当日の様子を取材した。
イベントは2部構成。午後3時〜午後4時30分の第1部「全社納会」と、第2部「忘年会」の冒頭30分は業務扱いとした。
全社納会は、本社オフィスに特設スタジオを用意し経営陣が登壇。座談会形式で1年の振り返りやグループの今後の方針について説明した。また、1年の動きをまとめたVTRを放映した他、会社の成り立ちや事業内容などに関するクイズ大会を実施。従業員は事前にクイズに回答していて、経営陣がその答え合わせをする形式だ。参加者はZoomのコメント機能を使って反応を示し、経営陣がそれに応える一幕もあった。
第2部の忘年会では、有志の社員が企画したZoomの部屋に分かれ、社内コミュニケーションの場とした。開設したのは全部で46部屋。「筋トレ好きの部屋」や「新卒の部屋」、「子育て部屋」など、企業や部署の垣根を超え、共通の話題で交流を深めた。
第2部で特に参加者が多かったのは「バーチャル社内見学会」だ。DMM.comは東京都港区の本社オフィスだけではなく、石川県にも事業所を構えている。バーチャル社内見学会では、各オフィスの従業員が交互に社内を案内していた。参加者の中には、自宅から家族と一緒に見学している従業員もいて、普段行くことのない他の事業所の様子を知ることができた点や、働いているオフィスを家族と共有できた点などが好評を得ていたようだ。
イベントは同社のコーポレート室のメンバーが中心となって運営した。数週間前からSlackやメール、社内ポスターなどでイベント開催を告知。当日の撮影や配信なども全て社員が行った。カメラを複数設置して配信時のカット割りを工夫したり、間に流すVTRや画像なども作成した。
DMM.comの従業員数は2020年4月1日現在で約2500人。グループ企業は20社以上ある。数年で従業員の数が急激に増えたこともあり、全体でのイベントは10年程前から実施できていなかったという。運営を担当したコーポレート室の塩谷雅子氏と、進藤香織氏は「人数も増えて、DMMってどういう事業をしている会社なのかということをあらためて知って欲しいという思いがあった」とイベント開催の理由を話す。
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