3000人規模の納会をオンラインで DMM.comが考える新しい社内交流:アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)
DMM.comは、関連会社などを含めた約3000人の従業員を対象とした納会と忘年会をオンラインで開催した。どのようにイベントを運営し、何を意識したのか。当日の様子を取材した。
横のつながりを深めることが課題だったDMM
第1部の様子をみていると、現場の従業員と経営陣の距離の近さを感じた。部署を超えて社員同士のコミュニケーションも活発に行われているのではないか。そう感じ尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。塩谷氏は「横のつながりを深めることが課題なんです」と話す。
「事業の数が多く、それぞれの事業ごとで採算を見ているので、どうしても縦割りになりがち。特に総務や人事系のバックオフィス側と事業側では距離が生まれやすくなってしまった。その解消のためにオフラインの施策をやっていたが、コロナ禍でより横のつながりが薄くなってしまっていた」
グループ全体の交流を深める意味も込めて、6月には全グループの従業員4000人を集めた全社総会を数年ぶりに開催する予定だったという。しかし、新型コロナウイルス感染拡大で急きょ中止に。社内表彰イベントのみをオンラインで配信することにした。
これが同社にとって初めての社内向けオンラインイベントとなった。直接交流することができなかったが、オンラインで配信したことで、結果的に国内外のグループ企業に勤める従業員全員が視聴できる環境となった。従業員からは「会長の顔が見えると安心する」「普段コミュニケーションが取れない中で、会社の事業の内容を知ることができて良かった」といった声があがったという。
同社はこの反応に手応えを感じ、社内向けのオンラインイベント第2弾として「納会」を企画したという。8月末にオンライン納会の実施を経営陣に提案。開催に向けた準備に取り掛かった。
今回のイベントで意識したのは登壇者と参加者の双方向性だ。「6月の社内表彰イベントは、見ているだけの時間が多くなってしまった。今回は、視聴者が参加できる企画を積極的に用意した。また第1部では各部門の経営陣に登壇してもらい、それぞれの部門の従業員に、親近感を持って話を聞いてもらえるように工夫した」(進藤氏)
関連記事
- DMM子会社ベルリング、新型救急車を公開 第3の救急車メーカーとして22年の量産化を目指す
DMM.comの子会のベルリングは、新型救急車「C-CABIN」のコンセプトカーを発表した。同社は21年11月までに開発を完了し、22年1月から量産化を目指す。将来は東アジアなどでの展開も予定している。大手メーカー2社の寡占状態が続く業界に参入した思いとは。 - 驚異の在宅勤務率95% コールセンターを“丸ごと在宅化”、チューリッヒ保険が移行できた理由
チューリッヒは、緊急事態宣言時にコールセンターを含む全部門を在宅勤務に移行。95%の在宅勤務率を達成した。その背景には2010年代初頭から進めた取り組みがあった。 - 在宅勤務をする人が移住したい都道府県ランキング 3位は長野県、2位は北海道、1位は……
採用支援を手掛けるレジェンダ・コーポレーションは、20〜30代の若手社会人を対象とした「働き方」に関する調査を実施。コロナ禍を機に在宅勤務が一般化しつつあるなか、3人に1人が地方・郊外への移住に興味を持っていることが分かった。 - ”捨てるのにためらう”紙の名刺を奉納 Sansanがオンラインで「名刺納め祭」
Sansanは12月16日、1年間に交換した名刺を奉納する「Sansan名刺納め祭」をオンラインで開催した。オンライン名刺交換を提供するSansanが名刺の奉納を企画する狙いは…… - 「”会う”意味を更新したい」 リコー、”はたらく”を研究する施設開設 その意義は
人々にとって”はたらく歓び”とは何か――。リコーが”はたらく歓び”を考える施設を開設した。社内外の起業家やクリエイターに向けた次世代ワークプレースと定義づけるこの施設。単なるコワーキングスペースではない。リコーはここで何を見いだしたいのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.