ユニクロや無印、ワークマンは前年越え 気温低下で12月度は好調:緊急事態宣言の影響も懸念
アパレル各社の2020年12月度の既存店売上高は前年同月比超えが相次いだ。月下旬からの気温低下が追い風となった。一方21年1月度は、首都圏を対象に発出される見込みの緊急事態宣言の影響も懸念される。
アパレル各社の2020年12月度の既存店売上高(速報)は、前年同月比超えとなる企業が相次いだ。12月下旬からの気温低下が大きく影響した形だ。しかし、今後は首都圏を対象に発出される見込みの緊急事態宣言により、客足が鈍る可能性も懸念される。
無印良品などを運営する良品計画の12月度の直営既存店とECの合計売上高は9.4%増(前年同月比、以下同)、客数は13.2%増、客単価は3.3%減となった。
カレーなどのレトルト食品を含む食料品の売り上げが大きく伸び、部門別売上高は41.4%増となった。また、靴下、パジャマ、キッチン用品、小物収納、ケア用品などの日用品も引き続き好調で生活雑貨は9.1%増加した。さらに、気温の低下でニットやコートなどの重衣料の動向も回復。衣服・雑貨の売り上げも1.4%増加した。
ファーストリテイリングが運営するユニクロの実店舗とECの合計売上高は6.2%増。プラスは7カ月連続となる。家で着用する防寒衣料や、在宅ニーズにマッチした商品の販売が好調だった。客数は0.3%増で2カ月ぶりにプラスに転じ、客単価は5.9%増となった。
ファッションセンターしまむらの12月の既存店売上高(ECサイト含む)は11.3%増で、9月度から4カ月連続で2桁増となった。また客数は6.2%増、客単価は4.6%増となった。
12月上旬に高い気温が続き冬物商品の売行きが一時的に鈍ったものの、下旬からの急激な冷え込みで売り上げを大きく伸ばした。プライベートブランド「CLOSSHI」のプルオーバーやパンツ、あったか素材「FIBER HEAT」の肌着やインテリアが好調だったという。
ワークマンの既存店売上高は6.1%増。4月度から9カ月連続でプラスを維持している。客数は9.0%増加したものの客単価は2.6%減少した。防寒アウターが好調に推移したほか、ウォームパンツや発熱素材のインナーシャツ・タイツなどの冬物衣料が活発な動きとなった。加えて、降雪があった日本海側地域では、防寒長靴やブーツ、手袋などの防寒小物の売り上げを伸ばした。
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