「炎上」と「改革」で4000億円企業に コロナバブル後に真価が問われるZOZO:数字で見る2021年注目企業(1/3 ページ)
サービス開始からわずか17年で商品取扱高が約22倍以上に伸びたZOZOTOWN。急成長できた背景とコロナ禍でも成長し続ける強みを著者の磯部孝氏はこう分析する。
2020年は「コロナ元年」と呼ぶべき年だった。そして、新しい年を迎えたものの、新型コロナウイルスと隣り合わせの生活は今後も続けざるを得ないと見るべきだ。濃厚接触の機会を減らすために人の往来に規制が掛かる。「不要不急の外出」を控えなければならない環境が続けば、実店舗頼みのビジネスは成り立たなくなってしまうだろう。
そこで21年の注目企業として取り上げたいのは、日本国内で最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZO。直近の21年3月期の第2四半期(20年4〜9月)の商品取扱高は1856億円(前年同期比16.3%増)、営業利益199億円(同50.2%増)で、21年3月期の通期予想は前期比2ケタ増の、商品取扱高3873億円、売上高1437億円、営業利益は395億円とコロナ禍を背景に大幅な増収増益を見込む。
緊急事態宣言期間中だった4月の土日、計6日間はZOZOTOWN負担の送料無料キャンペーンを実施。5月にはセール・イベント「ZOZOWEEK」を行い、6月5日には例年より早めの夏物SALEに取り組んだ。その結果、21年3月期の第1四半期は前年同期比で19.4%の売上高増、営業利益も前年同期比で33.9%と大幅な増収増益を記録した。
ZOZOTOWNに出店しているショップの多くは実店舗比率が高く、いくらコロナ渦でネット販売が伸びたとしても実店舗分のマイナスを帳消しにはできない。しかしZOZOTOWNはネット型ショッピングモールという特徴があるので緊急事態宣言や外出自粛といった外的要因にはプラスに働くのだ。
同社が、04年12月に17のセレクトショップを集積したファッションショッピングサイトZOZOTOWNの運営を始めて17年。東京証券取引所マザーズ市場に上場した08年3月期から21年3月期の商品取扱高と会員の平均年齢をまとめたグラフをご覧いただきたい。
ZOZOTOWNを開始してわずか17年で商品取扱高が約22倍以上に伸びた痕跡と、それぞれの年の主な出来事を抽出しながら、ZOZOTOWNが急成長できた背景、コロナ禍でも成長し続けるZOZOTOWNの強みについて考えてみたい。
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