2度目の緊急事態宣言に”楽観視”は禁物 アパレル企業が今やるべきことは:備えあれば憂いなし(3/3 ページ)
2回目となる緊急事態宣言が1都3県に出された。都心の百貨店、ファッションビルは1〜2時間の閉店繰り上げを決めた。2回目となる今回の措置に向けてアパレル企業もコロナ対応が試される事になる。そこで、考えられるリスクと乗り越えるためのヒントを著者の磯部氏はこう分析する
備えあれば憂いなし フルタイムでの休業要請を見据えた対応を
他の民間リサーチ会社の調べによれば、ステイホーム中はリアルタイムでのテレビ視聴と、インターネット接触時間が増加していた。このインターネット接触はSNSをはじめ動画配信まで細かくセグメントする必要がある。実際、ネットフリックスやAbemaTVといった新興メディアへの視聴者数の拡大は今回のコロナ禍が追い風の1つとなったと考えても良さそうだ。
前回の緊急事態宣言と同様に、アパレル企業が自社のWebサイトを中心に発信内容を充実させて、売り上げを増やすのは一朝一夕にできることではない。顧客になってもらうには時間も人も手間もかかってしまう。
即効性を狙うのであれば、より接触頻度の高いメディアへの広告かコラボレーションが有用だろう。それは明らかに費用が掛かるものの、その分効果も期待できるというものだ。近いうちにフルタイムでの休業要請が想定される。その要請を視野に入れた取り組みは「拙速は巧遅に勝る」より「備えあれば憂いなし」なのである。
著者プロフィール
磯部孝(いそべ たかし/ファッションビジネス・コンサルタント)
1967年生まれ。1988年広島会計学院卒業後、ベビー製造卸メーカー、国内アパレル会社にて衣料品の企画、生産、営業の実務を経験。
2003年ココベイ株式会社にて、大手流通チェーンや、ブランド、商社、大手アパレルメーカー向けにコンサルティングを手掛ける。
2009年上海進出を機に上海ココベイの業務と兼任、国内外に業務を広げた。(上海ココベイは現在は閉鎖)
2020年ココベイ株式会社の代表取締役社長に就任。現在は、講談社のWebマガジン『マネー現代』などで特集記事などを執筆。
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