夏だけじゃない! アフターコロナに向けた沖縄観光の秘策は”サウナ” リゾートホテルが冬の集客に力を入れるワケ:コロナ前の観光客数はハワイ越え(2/4 ページ)
観光立県・沖縄の典型的なイメージ戦略はこれまで常に「夏の沖縄」と結びつけられてきた。そんな“常夏の島沖縄”に冬季限定のサウナ施設が誕生した。
沖縄らしい演出で「サウナ」の定着を図れるか
カヌチャリゾートはもともと、観光オフシーズンには毎年大規模なイルミネーションイベントを展開しており、色とりどりの電球に囲まれながらのナイトプールも同時に楽しめる仕掛けを生み出している。
ロウリュ(水蒸気を発生させるサウナ入浴法)に使用するアロマオイルには、沖縄で古くから薬草などに利用される月桃や、地元かんきつのシークヮーサーなど“沖縄の香り”を採用。琉球ガラスでできたランプが色調変化したり、すぐそばのビーチから聞こえる波の音と合わせて聞く「環境音楽」が流れていたりと「沖縄ならではの体験」に主眼を置いた工夫が散りばめられる。
佐々木さん自身、実家が銭湯でサウナがあり、筋金入りのサウナ好きでもある。本場・フィンランドに出向いてサウナを巡るほどだ。そのサウナ愛と共に「(サウナ時には)外が寒ければ寒いほどいいとされています。ライフセーバーがいればプールではなく海で行うことも可能です。テントサウナは設営も簡単なので、冬の沖縄で楽しめるコンテンツとして、今後も広げていければと思います」と展望を語る。
カヌチャベイリゾートの嘉陽宗一郎さんは「沖縄の入域観光客数を月ごとに平準化させるために、冬のコンテンツを作っていこうという動きはずっとありました」と振り返る。「冬の集客が少なく、労働市場においても低賃金や雇用の不安定などの課題があります。そんな中で冬のプールサイドを使って新しいコンテンツが作れるというのはすごく魅力的です。冬の沖縄観光も楽しんでもらえたら」(嘉陽さん)
そもそも、沖縄は夏のイメージが強く冬の行き先として選ばれにくかった。1〜3月は国内外のプロ野球キャンプなどスポーツ系の観光コンテンツがある。しかし嘉陽さんは「コンテンツとしての引きは限定的だ」と話し、冬のサウナに期待感を示す。
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