阪急、阪神も3月に終電繰り上げ コロナ禍で深夜利用減少が顕著に:最大32分繰り上げ
阪急電鉄と阪神電鉄は、3月13日のダイヤ改正で終電時刻を繰り上げる。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって深夜時間帯の利用者数が減少しており、需要に応じた運行体制に変える。
阪急電鉄と阪神電鉄はこのほど、3月13日のダイヤ改正で終電時刻を繰り上げると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって深夜時間帯の利用者数が減少しており、需要に応じた運行体制に変える。
春のダイヤ改正での終電繰り上げに関しては、JR西日本も深夜の保守作業時間確保を目的に実施することを発表している。関東エリアでも、JRなど鉄道各社が終電繰り上げを含めたダイヤ改正を行う予定だ。
阪急と阪神は、近年のライフスタイルの変化によって深夜時間帯の鉄道利用が減少しており、新型コロナによってその傾向が顕著になっていることを終電繰り上げの理由としている。阪急は、2020年の午後11時以降の乗降人員が、前年と比べて1日平均約44%減少。阪神では、21年1月の午前0時以降の利用が前年同月よりも約70%減少しているという。
さらに、夜間の保守などの作業時間をこれまで以上に確保できるようになることで、鉄道サービスの向上にもつながるという。
阪急は、神戸線・宝塚線・京都線で最終列車を13〜32分程度繰り上げる。ダイヤを変更するのは深夜時間帯のみ。例えば、神戸線の大阪梅田発西宮北口行き最終列車は16分繰り上げ、午前0時9分発に。宝塚線の大阪梅田発雲雀丘花屋敷行きは15分繰り上げ、午前0時10分発とする。
阪神は、現在の最終列車「大阪梅田午前0時半発尼崎行き」「尼崎午前0時9分発大阪梅田行き」「元町午前0時28分発石屋川行き」の3つの普通列車の運転を取りやめる。それによって、最終列車の発車時刻を約10分繰り上げる。
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