沖縄の長年の課題「飲酒運転撲滅」と「運転代行業の適正化」 劇的に改善しそうな新サービスとは:待ち時間は60分から12分に(1/4 ページ)
Alpaca.Lab(アルパカラボ)が琉球大学と連携して開発した運転代行配車アプリ「AIRCLE(エアクル)」が、2020年8月のリリースから現在までにダウンロード数が1万弱に迫るなど、コロナ禍においても着実に利用者を増やしている。
Alpaca.Lab(アルパカラボ、沖縄県中城村)が琉球大学(同西原町)と連携して開発した運転代行配車アプリ「AIRCLE(エアクル)」が、2020年8月のリリースから現在までにダウンロード数が1万件弱に迫るなど、コロナ禍においても着実に利用者を増やしている。
エアクルは、沖縄県内38の運転代行業者と提携することで近くの車両と客を結び付け、車を送り届けるサービス。これまで1時間待ちなどが当たり前だった現状を平均12分に短縮した。実は運転代行業者の数が最多の沖縄県。業務の効率化や適正化が進み、売り上げを大幅に伸ばす業者も出るなど業界全体の底上げにも寄与している。
運転代行業者のビジネスモデルは、非効率的な業務形態や過度な価格競争で圧迫された市場など、課題が長年残っていた。例えば、利用者はスマホ検索などで1社1社に電話をかけて配車を依頼する必要があり、代行業者はその電話を待つ間の時間的ロスが発生していた。収益が上がりにくい構造から法令順守が後手にならざるを得ない業者もなかにはいる。その課題解決を図ろうと、アルパカラボは「業界全体の健全運営」を目指して19年1月に開発に着手した。
業者数は700社以上 根強い沖縄の運転代行カルチャー
沖縄県内では、飲酒時などに運転代行サービスを使うことが他府県に比べて多く、700社以上の運転代行業者があるとされている。業者数が全国2位の福岡県でも400社程度と、沖縄の業者数は断トツの多さで、人口当たりに換算するとその多さがより際立つ。在沖縄米軍基地関係者など外国人の間でも、運転代行は「Daiko Service」と呼ばれ、英語に外来語として取り入れられているほどポピュラーな存在だ。
しかし、そのポピュラーさに相反して、運転代行サービス自体の不便さを感じる場面はあり、県民としてのその不便さが当たり前に存在するものとして受け止めているきらいはあった。これまで、利用客は財布に“コレクション”した運転代行業者の名刺から1社1社に電話をかけて、利用可能かを確認する。今でこそコロナ禍で飲み歩く人の数は以前より減ったが、週末の夜ともなると何件かけてもつながらず、やっとつながっても1時間待ちというのは、ありふれた光景だった。
また、飲食店員が客の代わりに運転代行を探すこと多く、本来の飲食業務を圧迫するケースもある。ある飲食店関係は「この作業だけでもスタッフが1人取られて、最低でも10分は潰れます。できるだけ短時間で来る運転代行業者を要求されるので何件も電話をかけて、お客さんとの間で板挟みです」と吐露する。
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