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「女性社外取締役」が増えると、男女格差が広がる皮肉なワケスピン経済の歩き方(3/6 ページ)

オリパラ組織委員会の会長人事の議論が盛り上がるなか、民間企業では着々と女性の経営参画が進んでいる。不二家が女優の酒井美紀さんを社外取締役に大抜てきしたが、筆者の窪田氏は「女性社外取締役が増えれば増えるほど、男女格差が広がっていく」という。どういう意味かというと……。

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能力の高い女性をうまく「利用」

 なぜ「男女格差」が広がるのかというと、多勢のおじさん取締役が、圧倒的マイノリティーで新参者の女性取締役をコントロール下に置こうとするからだ。おじさんたちからすれば、いきなり外部からやってきた女性役員に、これまで根回しや調整をしてきたことをちゃぶ台返しでもされたらたまったものではない。当然、女性役員に対して「頼むから面倒臭いことを言い出すなよ」という無言の圧力をかけてくるのだ。

 もちろん、世の中にはそういうものに屈することなく、思ったことを言ったり、自分が正しいと思う改革を進めたりする女性取締役もたくさんいらっしゃるだろう。しかし、一方で超アウェーの空気に飲まれ、おじさんたちににらまれないように無難な発言をする方もいる。中には、会長や最高顧問のような絶対権力者のおじいちゃんのイエスマンになり果てて、悔しい思いをされている方もいるはずだ。


女性役員に対して、無言の圧力があるのでは……

 つまり、せっかくの高い能力を持っている女性が、男だらけの閉鎖的な世界にポンと入れられたことで、逆に「我慢」や「服従」を強いられて、女性活躍どころか、自由を制約されるという皮肉な現象が起きているのだ。

 また、女性社外取締役が増えることは、おじさん役員にとっても「弊害」がある。外部から有能な女性や、酒井さんのように話題性のある女性を取締役と迎えることで、なんとなく自分たちがダイバーシティや女性活躍という目標を達成しているような「勘違い」に陥るからだ。

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