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トルコ家電メーカーとの合弁へ海外家電事業を移管、日立GLSは何を目指すのか家電メーカー進化論(5/6 ページ)

日立グループで家電製品の開発販売を行う日立グローバルライフソリューションズ。2020年12月には、海外家電事業をトルコの家電大手アルチェリクとの合弁会社へ移管すると発表した同社は、何を目指しているのだろうか。“オープンな協創”をテーマに同社の描く未来を、取締役社長の谷口潤氏に聞いた。

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 そもそも、今回のアライアンスを協議している段階から、アルチェリクに対しLumadaに関する戦略を共有してきたという。そして今後、家電に新しい価値を与えるためには、家電でユーザーの利用動向や周辺環境などのデータを収集し、解析。それを元にユーザーの課題を解決した新機能や新製品を提供することで、ユーザーの生活向上に寄与していくという未来のビジョンを、アルチェリクと合意しているという。

 Lumadaを介したデータの相互流通についてもすでに話し合いを開始しており、今回のアライアンスはある意味、Lumadaへの展開を前提にしたものとまで言い切る。

 また、谷口社長は「これは自分の空想ではあるのですが」と前置きしながらも、Lumadaを介することで、今後は日立GLSという枠組みを超えてさまざまな社会課題を解決できるのではないかと話した。

 例えば、エネルギーの効率的な利用といったスマートホームのような世界は今後広がっていく可能性があり、これは日立GLSという枠を超え、Lumadaを介して日立グループのエネルギーやITの技術などと連携できるかもしれない。さらに、アルチェリクはトルコ最大のコングロマリッドのひとつであるコチグループ内の1社だ。このコチグループには自動車産業や金融サービスなど、さまざまな業態のサービスが混在している。コチグループが持つ多種多様な産業とLumadaをつなげることで、社会全体に効率的にエネルギーを提供する何らかの解決方法が見つかる可能性もある。

 「そこまで規模を拡大できれば、今回のアライアンスは社会的に大きな意味をもつことになります」と同氏は続けた。

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