映画「えんとつ町のプペル」を大ヒットに導いたオンラインサロンは信者ビジネスなのか?:専門家のイロメガネ(1/5 ページ)
映画「えんとつ町のプぺル」がヒットした背景には、西野氏が率いる「オンラインサロン」がある。7万人以上が参加するオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は映画のヒットにも寄与したといわれているが、サロンを活用した集客・マーケティングは賛否も呼んだ。このオンラインサロンの実態とは?
2020年、映画版「鬼滅の刃」が記録的な大ヒットを飛ばし社会現象を巻き起こしたが、現在話題となっているアニメ映画がもう1つある。「えんとつ町のプぺル」だ。
20年12月に公開されると、累計動員数140万人突破、興行収入20億円に迫るなど、コロナ禍の中では異例と言える大ヒットだ。何度も映画館に足を運んだ人が「3プペ」「5プペ」などとSNSでつぶやいた事も話題になった。この作品の原作は16年に発売された絵本「えんとつ町のプペル」だが、絵本の制作から映画の脚本、プロデューサーまで手がけたのがお笑い芸人の西野亮廣氏だ。
そして映画がヒットした背景には、西野氏が率いる「オンラインサロン」がある。7万人以上が参加するオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」は映画のヒットにも寄与したといわれているが、サロンを活用した集客・マーケティングは賛否も呼んだ。
話題になりつつある一方で、「信者ビジネス」「情弱ビジネス」と批判も受けるオンラインサロン。Webマーケティングの業務に携わり、サロン運営にも関わる筆者の立場から熱狂的なファンを生むオンラインサロンビジネスの実体に迫ってみたい。
オンラインサロンとは何か?
オンラインサロンの仕組みはさほど複雑ではない。サロンの参加者は毎月会費を払い、参加者だけが受けられるサービスを利用する。サービスの内容は会員限定のコンテンツ(テキストや動画やセミナーなど)や、相談・コンサルティングを提供するサロンもある。
ファンクラブや勉強会、スポーツジムなど既存の仕組みをオンライン化したものがオンラインサロンである、と説明すれば分かりやすい。現在ではタレントやビジネス分野の有名人、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人たちがサロンを運営していることが多い。
有料のオンラインサロンの運営には課金の仕組みが必要なことから、課金プラットフォームが利用される。現在はクラウドファンディング大手CAMPFIRE(キャンプファイヤ)のCAMPFIREコミュニティ、DMM.comのDMMオンラインサロンが大手のオンラインサロン運営サイトだ。昨年からはコンテンツ販売のプラットフォームであるnoteでも、サークルという名称でオンラインサロンを運営する仕組みが開始された。
課金をこれらのサイトで行い、会員とのやり取りや情報提供はFacebookの「Facebookグループ」という機能で行うサロンも多い。非公開の設定にすることで課金している会員だけが閲覧・コメントできる。
西野氏のオンラインサロンもこういった仕組みだが、新しい仕組みで外部から何をやっているか分からないこともあってか、批判されることも多い。特に多い批判が信者ビジネス、情弱ビジネスといったものだ。
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