キリンが副業人材を公募 IoT、富裕層マーケティングの知見を活用、新規事業育成へ:新サービス開発などを担当
キリンホールディングスは、同社として初めて副業人材の公募を始めた。新規事業の立案や育成に関わる人材を受け入れる。IoT領域とマーケティング領域を担うエグゼクティブ・アドバイザーをそれぞれ1人程度募集する。
キリンホールディングスは2月18日、同社として初めて副業人材の公募を始めたと発表した。新規事業の立案や育成に関わる人材を受け入れる。社外から専門的な知見やスキルを取り入れ、酒類事業の新たな成長につなげたい考えだ。
副業人材を募集するのは、2020年4月にキリンビール社内に新設した「事業創造部」。キリングループの基盤となる酒類事業において新規事業の立ち上げや育成を促進するために設置した。すでに事業化しているクラフトビール事業や家庭用ビールサーバのホームタップ事業などのほか、新たに事業化を目指す新規事業開発が担当領域となる。
その事業創造部内で、IoT領域とマーケティング領域を担うエグゼクティブ・アドバイザーをそれぞれ1人程度募集。キリンの持つ資産やノウハウを活用した、新しいビジネス展開を主導できる人材を期待する。
IoT領域のエグゼクティブ・アドバイザーは、計画・進行途中のプロジェクトを中心に、IoTに関する要件定義や設計などを支援するアドバイザー業務を行う。マーケティング領域のエグゼクティブ・アドバイザーは、富裕層をターゲットとした商品・サービス開発やマーケティングの企画立案を担当。ゼロから事業を立ち上げる。
募集期間は2月18日〜3月17日。応募は、転職サイト「ビズリーチ」から受け付ける。形態は業務委託契約を想定し、リモートワークをベースとした週1日程度の業務を担ってもらう。
キリンホールディングスは19年に策定した長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」に基づき、人材戦略の一環として副業を効果的に活用する方針だ。新型コロナウイルスによる環境変化をきっかけに20年7月から進める新しい働き方改革では、社外での業務を自身の成長や本業に生かすことを目的に、従業員の副業を認めている。
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