ニューノーマルの「オフィス必要論」 コクヨが新オフィスにつくった“6つの機能”:アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/3 ページ)
新型コロナの影響で、オフィスを見直す動きが活発だ。オフィス設計を支援するコクヨは、自社オフィスをリニューアル。働き方の変化に応じた6つの機能を持たせた。今後は“ここでしかできない体験”を提供し、生産性や創造性の向上をサポートするのがオフィスの役割だ。
アフターコロナ 仕事はこう変わる:
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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会社に行かなくても仕事はできる――。IT活用の広がりによって、そう感じているビジネスパーソンが増えたのではないだろうか。特に、新型コロナウイルス感染拡大後はテレワークの有用性がより広く認知され、個人が働き方を選べる体制を構築する企業も急増している。
一方、テレワークを経験したからこそ、「オフィスで働くこと」の意義をあらためて実感した人も多いだろう。また、対面を前提とする業種は多く、個人がばらばらで働くことが現実的ではないケースも少なくない。それでも、いざというときに働き方を変えられる柔軟性や、徹底的な感染防止対策など、オフィスに求められる要素は大きく変化している。
“集まって仕事をする”ことが前提ではなくなった今、オフィスの機能や役割はどう変わっていくのか。その一つの答えを示すのが、オフィス向けの家具製造や空間設計を手掛けるコクヨだ。同社は東京都港区の東京品川オフィスで、新しい働き方を社員が実践しながら提案する「ライブオフィス」をリニューアルした。そのコンセプトや機能から、ニューノーマル時代のオフィスの在り方を探った。
コロナ禍で構築した“新しいオフィス”
同社は2月15日、オフィスやショールームとして使用しているビル2棟をリニューアルオープン。地域の人たちの憩いの場や外部企業との共同作業などにも活用できる「THE CAMPUS(ザ・キャンパス)」として生まれ変わらせた。コクヨ製品のショップやオープンイノベーション拠点なども備える。その拠点の機能の一つが、新しくなったライブオフィスだ。
オフィスのリニューアル計画は、2019年から始動していた。以前からフリーアドレスを導入していたが、近年注目されているABW(Activity Based Working)のコンセプトを強化し、業務や都合に応じて時間と場所を選びやすいオフィスに変える計画を進めていた。
そんなときに起きたのが、新型コロナの感染拡大だ。同社ファニチャー事業本部 提案マーケティング部 プラットフォームグループの佐藤詠美氏は「コンセプトや設計の一部を見直さざるを得なくなった」と振り返る。
社内外のさまざまな人が往来する場所には、デジタル機器などを使った感染対策の実施や、密を避けるレイアウトへの変更が必要になった。そして、テレワークの急速な普及によって、「遠隔でも成果・価値を生み出す方法」を検討。オフィスの座席は、社員の50%の数に減らし、Web会議などの業務にも対応しやすい設計としている。
「仕事の場として、自宅、オフィス、サードプレイスに、“オンライン”が加わった。コクヨではそれをフォースプレイスと呼んでいる。そういった環境変化を踏まえて、オフィスはどうあるべきかを見直し、“こういう使い方ができればオフィスで働きたくなる”という空間を構築した」と佐藤氏は話す。
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