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600万回以上再生されたJTの「想うた」 製品が登場しないCMは何を訴えているのか広告から見る企業戦略(3/4 ページ)

JTが展開するCM「想うた」をご存じだろうか。俳優の北村匠海が演じる「村上優人」を中心に、両親、友人、同僚とのつながりを表現しているCMだ。

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日本の文化にも寄り添いたい「日本のひととき」

 同社は想うたシリーズの前に「日本のひととき」というシリーズを放送していた。ニュージーランド出身のリヴ・オドリスコールが折り紙や和歌、水引細工などの日本の伝統文化に触れていくという内容で、計6作を公開していた。


日本のひとときシリーズ(出所:プレスリリース)

 蔭山氏は日本のひとときシリーズについて「日本の文化や価値観にも寄り添っていきたい」という同社の思いを込めたものだったと説明する。実際、放映当時は、映像の雰囲気や楽曲、取り扱った伝統技法などがSNS上で話題となり、好意的な意見が多く寄せられていたという。

 「日本のひととき」シリーズ終了後、新CMを制作する上で意識したことが「より広い層に受け入れられやすいテーマを」ということだった。「日本のひとときシリーズも広く受け入れられたが、日本文化という点では少し“偏差値が高い”部分があった。幅広い層が視聴するテレビCMを中心に展開するシリーズであるため、次回作はより簡単に受け入れられるテーマにしたいと考えていた」(蔭山氏)

 そこで、新しく展開する想うたシリーズでは楽曲をベースにするクリエイティブを構築。「歌詞と映像の世界観を融和させて、世の中がこれから目指す『受け入れる世界』に企業として寄り添いたいというメッセージを表現したかった」(蔭山氏)

左からJT 戦略担当主任 蔭山健太氏、天野裕策氏(インタビューはオンラインで実施)

 想うたシリーズの第1弾は「親を想う」。1人暮らしを始めた主人公が、親のありがたさや存在の大きさに気付いていく過程を描いた。その後のシリーズでは「愛する人」「仲間」と自分と周囲の人々との関係性を表現した。そして4作目の「同期」を扱った作品からはCM内のキャッチコピーとして「違うから、人は人を想う」をテーマに据えた。

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