連載
「鉄道を盛り上げるボランティア」の報酬は何か 網走に学ぶ:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/7 ページ)
JR北海道は、SL列車「SL冬の湿原号」を釧路側、「流氷物語号」を網走側と、2つの観光列車を東部で冬に運行している。しかし新型コロナの影響で「あばしりオホーツク流氷まつり」が中止。運行中止の恐れもあった「流氷物語号」の運行を後押ししたのはボランティア団体だった。その活動から、ボランティアの報酬について考える。
この企画の発案はJR北海道ではない。網走市でもない。鉄道を応援し、網走地域を盛り上げようと結成されたボランティア団体「MOT(もっと)レール倶楽部」だ。会長の石黒明氏がこのゲームのファンで、ゲームと絡めた地域おこしを考えていた。北海道新聞の連載コラムでその気持ちを書いたところ、石黒氏の情熱に共感した人々が縁をつなぎ、個々の権利者とライセンス契約を結んだという。
2月27日、コラボレーションの総仕上げとして、ゲームファン向けの1泊2日ツアーが開催された。そこにゲームの原作者、堀井雄二氏が同行した。大勢の人々を巻き込んで、石黒氏やゲームのファンが原作者と対面を果たした。よかったね!
いや、そういう話ではない。「MOT(もっと)レール倶楽部」はボランティア団体として発足から10年目を迎えた。ここに至るまで、JR北海道、網走市と信頼関係を結び、いかに協働してきたか。なぜボランティア活動を継続できているか、という話をしたい。
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