ご当地、お酒、宇宙 「亀田の柿の種」商品開発の裏側:今年55歳(3/4 ページ)
「亀田の柿の種」が誕生し、今年で55年目。これまで発売されたのは数百種類にのぼるが、最近はどういった商品が売れているのか。亀田製菓の広報に聞いたところ……。
ご当地フレーバーで新規ファンを獲得
スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどで購入できる「自宅用」に加え、力を入れているのが土産売り場や駅売店などでのお土産需要だという。その地域に合わせたご当地フレーバーを販売していて、「普段は亀田の柿の種を食べない人も、お土産としてもらって『おいしい』と感じたら、『定番商品を買ってみよう』と思っていただけるかもしれません」。確かに、筆者もお土産に困ったとき、ご当地の亀田の柿の種を買ったことがある。
「ご当地フレーバーは、基本的にはお土産需要なので、まずは『北海道のお土産を買っていく人は、どんなものを買うのか?』を調査します。そこで『チーズ味にしよう!』と決まることもあれば、いくつか取り寄せて食べてみようとなることも。その地域のお土産としてイメージがつく味を探して再現していきます。
ただ、味を再現しすぎておいしくなくなっては意味がないので、あくまでも亀田の柿の種に合う味付けにすることを意識しています。あとは、ピーナッツとのバランスや、カリッとした食感も保つ必要があります。過去、もっともチャレンジした商品といえば『越乃寒梅風味』。私もお土産用として購入し、友人に配ったところ、ものすごく驚かれました。ちなみに、アルコールが少し入っているのでパーキングエリアでは販売できません」
実は筆者も新潟の親戚から、この越乃寒梅フレーバーをもらったことがある。パッケージも日本酒らしいデザインで、口に入れると日本酒の香りがふわっと漂うのが特徴だ。
「新フレーバーの開発期間は、半年から1年ほど。今は、新型コロナの影響で難しくなっていますが、発売当日に開発担当者が自ら店頭に立って試食を提供し、お客さまの声を聞く活動も実施していました。時間をかけて苦労して自分が生み出した商品が店舗に並び、実際にお買い上げいただけた瞬間や、SNSを通じて『おいしい』といった声を聞けるのも嬉しいと聞いています」
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