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「1日3回」が歯磨き粉市場に起こした“大逆転”とは? ライオンがしかけた啓蒙マーケティングのすごみ:消費行動の変化(2/6 ページ)
2020年、歯磨き粉市場にある大きな変化が起きた。ライオンが1日3回の歯磨きを推奨した結果、消費行動に変化が起きたと筆者は指摘する。
ライオンの業績好調
ライオンの20年における実績は増収増益です。特に、営業利益の伸び率が前年比147%と躍進しました。営業利益率は12.4%と、消耗品を扱うメーカーとしてはかなり高い数値です。これは、収益性の高いことで知られる花王の営業利益率(20年12月度で12.7%)にほぼ並ぶ実績です。
カテゴリー別でみると、一般用消費財が7割近くを占めています。
また、同社の稼ぎ頭である一般用消費財事業は大きく6つの商品カテゴリーによって構成されています。
同社の主力事業は、オーラルケア事業とファブリックケア事業(衣料用洗剤など)です。このうち業界でトップシェアなのは、歯磨き・歯ブラシのオーラルケアと、ハンドソープのビューティーケアの2分野。特に、前者は着実に成長を続けており、市場規模2500億円(口腔ケア食品除く)とされる中で22.8%のシェアを誇るまでになっています。シェア理論でいっても、ダントツのトップグループシェアです。
では、この市場にはどのような特徴があり、同社はどんな戦略で業績を伸ばしているのでしょうか。
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