コロナ禍でも「横丁」は大繁盛 昼から酒を楽しむ人が殺到する理由とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/8 ページ)
コロナ禍で大都市都心部の居酒屋やレストランが苦戦している。一方で、集客に成功している横丁が多い。その理由とは?
新型コロナウイルス感染拡大による時短要請で、大都市都心部の居酒屋やディナーレストランは大きな影響を受けている。一方、例外的に集客が好調なのは「横丁」だ。
例えば、2020年8月、東京・渋谷駅前にある「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」1階にオープンした「渋谷横丁」には、テラス席が設けられ、平日の昼間からビールやハイボールなどのお酒を楽しむ多くの人を見かける。屋外のテラスならば、換気も良好だ。
また、20年6月にオープンした「虎ノ門横丁」は、虎ノ門ヒルズに新しくできた「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」(東京都港区)3階にあり、休日などには行列ができることもある。
渋谷横丁では、北海道から九州まで日本全国の郷土料理や産直の食材を提供している。一方、虎ノ門横丁は、東京で注目されているが多店舗展開していない人気店・名店を一堂に集めたことが人気の要因となっている。
横丁型飲食施設は、本来なら何日もかけて食べ歩かなくてはならないグルメをワンストップにそろえるという“お得感”を提供している。
しかも、入居している個々のお店の規模が小さく、扉に閉ざされていない。ハードルが低いので、店員と顧客、顧客同士、店員同士の距離感が近い。東京のような大都会では、人と人とのコミュニケーションが希薄になりがちだが、横丁には人と人がつながっていると思わせる良さがある。
横丁を訪れるのは、数十人も集まって宴会をするような人たちではない。圧倒的多数は、4人以下の友人・知人同士、または家族で利用している。おひとり様も少なくない。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が問題視している「5人以上の飲食」に当たらないケースがほとんどだ。
今回は、横丁人気の秘密を解剖してみたい。
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