2007年からオンライン商談を導入しているSansanが話す“極意”:アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/4 ページ)
コロナ禍に突入する前から積極的にオンライン商談を導入してきた企業や、これらのオンライン商談を後押しするプロダクトを展開している企業の事例などから、まだまだ終わりそうにもないコロナ時代のビジネススタイルを考える。
「いつもの流れ」で名刺交換が可能
長谷川さんがオンライン商談のセミナー講師としても登壇する中で、参加者からデメリットを感じる部分としていくつか挙げられたうちの一つに「相手の役職や部署が正しく把握できない」といった声があった。
これまでの対面方式ならば、“いつもの流れ”として名刺交換をし、相手の名前や連絡先、どういう立場の人なのかを把握した上で話を進めることができる。これをオンライン上で実現するための「オンライン名刺交換」が徐々に認知度を上げている。
280万人以上が利用する名刺アプリ「Eight」は、実際に交換した紙の名刺をスマホのカメラで取り込んでデータ化し、連絡先一覧のように使うだけではなく、自分と相手の名刺データをアプリ内で交換することができる。このオンライン名刺交換は12年から提供しており、特に19年12月から翌20年12月にかけて交換数が約3.5倍に伸びた。
メールやメッセージにURLを付けてクリックしてもらったり、QRコードを読み取ってもらったりすることで即座にオンライン名刺交換が可能だ。Zoomなどの背景に使える「オンライン名刺QRコード付きバーチャル背景」の画像は、自分の名刺データのQRコードがレイアウトされているため、最初からQRコードの提示を省くことができる。オンライン商談を創業から続けてきたSansanならではの視点から生まれたアイデアだ。
名刺の枠を超えて、ビジネスインフラの一つとしての役割を担い、人と人とをつなげている。
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