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日本進出7年で売上200億突破のアンカー・ジャパン、“成功の裏側”と多ブランド戦略の意図家電メーカー進化論(6/9 ページ)

Ankerグループは2011年創業。13年設立の日本法人は初年度売り上げ約9億円、18年には200億円超と急成長を遂げ、今やモバイルバッテリーの代名詞ブランドとなった。また家電、オーディオデバイス、モバイルプロジェクターなど、次々と新ブランドを展開。急成長の秘密と多ブランド展開の戦略と展望を、猿渡歩COOに聞いた。

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試行錯誤で臨む、「多ブランド戦略」

――Ankerグループは家電やスマートホーム製品を展開する「Eufy」、オーディオブランドの「Soundcore」、モバイルプロジェクターの「Nebula」など次々とブランドを増やしています。Ankerで構築したブランド力がありながら、あえて新ブランドを立ち上げる理由はどこにあるのでしょうか

 マルチブランド戦略はAnkerグループ全体の方針ですが、これについては新ブランドを作ったのが正しかったのか、今の私には答えがまだ出ていません。ただ、ブランドを分けた理由はもちろんあります。そもそもAnkerは今でこそスマートフォンを使っている多くに知っていただいているブランドですが、かつては最先端のガジェットなどが好きな尖った男性をメインターゲットとするブランドでした。

 一方、Eufyのロボット掃除機を購入する層はDINKSだったり、導入の最終決定者が女性であることが多いなど、Ankerとはターゲットが明確に違います。そのため、ブランドを分けたほうが、製品のメッセージが伝わりやすいのではないかという仮説があります。

 とはいえ、そもそもハードウェアというのは製品の品質や保証などの信頼性からブランド買いされることが多いですし、ブランドを分けたデメリットももちろんあります。ですので、最近は各ブランドの下に「By Anker」と入れるようにしています。

 中途半端なやり方でもありますが、このあたりはまだ正解が分かっていないというのが正直なところですね。とはいえ、カテゴリーごとに各ブランドメッセージをしっかり伝えるというのは、引き続き大事にして行っています。


製品は購入者層に応じて、マルチブランド戦略を採用する。各ブランドごとのメッセージを伝えながら、展開していくという

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