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日本進出7年で売上200億突破のアンカー・ジャパン、“成功の裏側”と多ブランド戦略の意図家電メーカー進化論(8/9 ページ)

Ankerグループは2011年創業。13年設立の日本法人は初年度売り上げ約9億円、18年には200億円超と急成長を遂げ、今やモバイルバッテリーの代名詞ブランドとなった。また家電、オーディオデバイス、モバイルプロジェクターなど、次々と新ブランドを展開。急成長の秘密と多ブランド展開の戦略と展望を、猿渡歩COOに聞いた。

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自社製品の魅力を、存分に伝えられる直営店

――最近はネットの他、直販店やコンビニでの販売など、実店舗での販売も目立ちます

 18年に当社はAmazon.co.jpや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手ECプラットフォームを中心としたオンライン販路で、取り扱いのある製品カテゴリのほとんどでシェア1位を取ることができるようになりました。そして14年ごろから徐々に拡大してきた量販店や携帯キャリア、バラエティーショップといった実店舗での販売網もある程度整ってきました。

 その後、どういった販売チャンネルを増やすかを考えたときに、直営店というアイデアが出てきました。理由としては、ロボット掃除機やプロジェクターといった、複雑で高額な製品が増えてきたためです。


19年6月の第1号店オープン以来、出店を続ける直営店「Anker Store」は現在8店舗(3月31日時点)。今後も新店舗を計画中だという(写真は「Anker Store 渋谷パルコ」オープン時のもの)

 モバイルバッテリーは安価な製品が多いジャンルのため、Ankerが参入する前までは「ブランドで選ぶ」という傾向は、あまりありませんでした。みなさんも3000円くらいのバッテリーなら、スペックを比較してより手頃なものをオンラインでサクッと買ってしまうという経験がおありだろうと思います。

 しかしロボット掃除機やプロジェクターなど3万円以上というような製品となると、それほど検討せずオンラインでサクッと買うという人はほぼいません。そういったときに直営店があれば、実際に製品に触れたり試したりできますし、スタッフもアンカー製品に精通しているのでしっかり説明できる。

 もちろん単純にPRという側面もあります。日本の一等地に看板を出すとなると大きなコストがかかりますし、気軽に撤退できません。そういった点から(本拠地が米国にあるアンカーが)日本でしっかりコミットして商売をするという意思表示の意味もあります。


21年3月にオープンした直営店「Anker Store 越谷レイクタウン」は、オープン当日から来店客で賑わったという

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