最近話題の「テレハラ」について、決定的に欠けている視点:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
会社にかかってきた電話は、誰がとるべきなのか。「新入社員がとるべきでしょ」と思われた人が多いかもしれないが、海外ではどうなっているのか。調べてみると……。
海外では代表番号が存在しない?
日本では、部署ごとに代表電話が存在し、誰かがその電話を取って「佐藤さん、3番です」と言って電話を回す作業は、皆が当たり前だと思っているが、これは国際的に見ても珍しい仕組みである。そもそも海外の電話には、1番、2番といった回線番号を示すボタン(通信業界ではラインキーと呼ぶ)が存在しないことも多い。
海外のビジネスホンは、各社員にそれぞれ個別の電話番号を割当て、自分宛にかかってきた電話は自分で出るのが原則である。個別電話番号にはボイスメッセージ(いわゆる留守番電話)が設定されているので、電話に出られなったときには、後でメッセージを聞けばよい。
電話はもはやコモディティ商品(汎用的な商品)なので、メーカーごとに大きな差別化要因は存在しない。本来なら、日本のビジネスホンにも外国メーカー製が多数採用されていてもよいはずだが、ほとんどのビジネスホンが日本製である。電話の習慣や操作が諸外国とは極端に違っているため、大きな参入障壁が存在しているのである。
ここでカンのよい読者の方ならピンと来たと思うが、日本だけが独特の電話操作になっている理由は、日本の職場環境の影響が大きい。つまり、全員が顔を合わせて仕事をするという日本独特の慣習が、特殊な電話の形態を生み出しているのだ。
仕事が個人単位で完結していれば、そもそも代表電話を設置する必要性は薄い。海外の職場で部署の代表電話を設置しているところもあるが、その場合には秘書的な仕事をする専門社員がいて電話をさばき、転送という形で個人につないでいる。やはり1人につき1番号が原則だ。
個人単位の情報管理であれば、声なのかテキストなのか、あるいは映像なのかといった違いしかないので、電話、電子メール、チャットツール、ビデオ会議システムなどについて、無理に区分する必要はない。必要なときに最適なツールを選択すればよいだけだ。
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