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3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算(2/7 ページ)

国内SaaS領域で最高益を叩き出した企業がある。経費精算システム「楽楽精算」や電子請求書発行システム「楽楽明細」などのSaaSプロダクトを提供するラクスだ。5月13日に公表した2021年3月期決算発表では、売上高153億円(前年同期比32.6%増)、営業利益38億円(前年同期比232%増)と他社を圧倒する利益水準となった。

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ラクスについて知っておくべき3つのこと〜 国内では老舗SaaS企業

 ラクスは00年11月に創業し、当時はITエンジニアスクールから事業を開始。メール配信サービスなどでクラウドビジネスに参入し、その後、経費精算システム 楽楽精算といった複数のプロダクトを手掛けてきた。

 周囲からはSaaS企業として注目を集めているが、ラクスの社内関係者に話を伺うと「“SaaS企業"という自社認識はなく、中小企業の業務効率化にこだわった結果そう呼ばれるようになった」と、SaaSありきではなくユーザーの課題解決に向き合う姿勢にこだわっている。

 ビジネスを推し進める中で徐々にクラウド・SaaS形態のサービス比率が高まり、16年に東証マザーズに上場。今年3月には東証一部にくら替えするなど、着々と事業規模を拡大してきた。

上場企業を5つ作れるSaaSプロダクトを持つ

 新興企業向け株式市場マザーズには10億円の売上高で上場を行っているSaaS企業が存在するが、ラクスはその規模のサービスを既に5製品展開している。

 成長を大きくけん引しているのは、タレントの滝藤賢一さん、横澤夏子さんを起用したテレビCMが印象的な経費精算システム「楽楽精算」だ。

 調査会社ITRが公表するSaaS型経費精算市場の累計導入社数ランキングでは、6年に渡り首位を維持している。金額シェアでなく社数シェアであるのは、ラクスが主なターゲットとする中小企業へのアプローチが強いからであり、大企業向けの経費精算システムでは外資系ベンダーのコンカーが首位となっている。

 個別のサービスに着目をすると、ARR60億円規模となった楽楽精算は42.6%の成長率、重点投資を行っている「楽楽明細」に至ってはARR13.9億円に対し127%成長とバックオフィスに向けサービスラインアップ「楽楽シリーズ」の伸びが著しい。

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