無印やユニクロの在庫管理はどう? アパレル業界が抱える「サイズ展開」と「需要予測」のジレンマ:磯部孝のアパレル最前線(1/3 ページ)
アパレル市況は相変わらず厳しい。そんな中でも、カテゴリーにとらわれない拡張路線を走る良品計画の21年8月期第2四半期決算から課題点についてみていきたい。
アパレル市況は相変わらず厳しい。4月末時点の主要企業の既存店売上高は軒並み150%を超える勢いだったものの、緊急事態宣言下ベースの数字で、前々年と比較すると各社厳しい数字が並ぶ。これは一重に「まん延防止等重点措置」に絡んだ時短営業による影響が大きい。まん延防止措置どころか「緊急事態宣言」の対象エリアが全国に拡大しているレベルでは、さらに厳しい状況が予想される。これからワクチン接種の進捗によって、全国の感染者数が抑え込まれていくことに期待したい。
まん延防止措置が適用されている神奈川県横浜市に、大型店がリニューアルオープンした。その店は「無印良品 港南台バーズ」。相鉄ホールディングス系列のショッピングセンター「港南台バーズ」のリニューアルに伴い、増床して入居した。売場面積は、2020年12月にオープンした「無印良品 東京有明」(東京都江東区)よりも広い約5117平方メートルで、増床前の約9倍に拡張。関東最大級の店舗となった。
今回のリニューアルオープンの目玉は、何といっても食品売り場を充実させた点だ。大規模な食品フロアは関東初、全国でも「堺北花田」(大阪府堺市)、「京都山科」(京都市)に次ぐ3店舗目となる。港南台バーズでは、クイーンズ伊勢丹と協業して食品売り場を展開する。19年には国内初となる、ホテルを併設した「無印良品 銀座」(東京都中央区)をオープン。無印良品が掲げる2100年の社会を見据えた「感じの良いくらしと社会」へ向けた具現化への一歩といえよう。
アパレル以外にも雑貨、ステーショナリー、インテリア、食品、化粧品、家、ホテルとカテゴリーにとらわれない拡張路線をひた走る同社。単なる商品調達にとどまらず、物作りへのこだわりも見せる。無印良品を運営する良品計画の21年8月期第2四半期決算から、同社の抱える課題点について指摘、解説したい。
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