インドの占い師・ラブさんが大人気 HISの「オンライン体験ツアー」舞台裏:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、海外旅行の需要はほぼ消滅した。そんな中で、オンラインツアーに参加している人が増えているという。各社参入している中で、存在感を示しているHISの「オンライン体験ツアー」を取材したところ……。
人気ツアーにびっくり
オンラインツアーをやってみて、どんなツアーが人気を集めているのか。参加人数が最も多いのは「世界一周シリーズ」(2500円〜)である。それぞれの国が一番美しく感じられる時間帯を結び、リアルの旅行だと10日ほどかかる日程を90分で巡れるようにした。
ふむふむ、このツアーが一番人気なのは、なんとなく理解できる。仕事で疲れているときに、缶コーヒーを手に持ちながら「いつかは世界一周をしたいなあ」なんて考えたことがある人もいるはず。ハワイで夕焼けを見たい、イタリアでパスタを食べたい、ケニアで野生動物に触れあいたい――。オンラインの世界ではあるものの、そうした国々に行った気分になれるので、ついついポチってしまう人も多いのかもしれない。
個人的にびっくりしたのは、2位にランクインしていた「インドの有名占い師ラブ氏によるオンライン占星術&手相占い」(4050円〜)である。インドを旅行する目的として、「占ってもらいたいんだよねえ、ラブさんに」といった話は聞いたことがない。にもかかわらず、オンラインツアーでは堂々の2位である。
4位にも驚いた。「ケニア・ナイロビ国立公園サファリライブツアー」(3936円〜)である。日本語ペラペラのケニア人・フレッドさんがガイドを担当していて、参加者からは「フレッドさんのガイドは最高! 彼がガイドをしているツアーがほかにあれば、教えてほしい」といった声がたくさん届くそうだ。
ところで、2位と4位には共通点がある。それは、リアルのツアーにはない企画がウケていることだ。同社の広報に「占い付きのインド旅行」「フレッドさんが語るケニアツアー」といった商品があるのですか? と聞いたところ「ないです!」ときっぱり。ということは、海外旅行を自由に楽しめるようになったら、現地で有名な人に占ってもらったり、フレッドさんのような人気ガイドに案内してもらったり、ネットで話題になった内容をリアルツアーに盛り込めばウケるかもしれない。
つまり、オンラインツアーを利用する人にとっては、“予習”として現地を知ることができ、旅行会社にとっては“マーケティングツール”として使うことができるのではないか。これまでになかった情報がどんどんたまっていくので、「これもできるのではないか」「あれもやったらおもしろいかも」といった具合に、企画がどんどん生まれてくるのではないか。そのように感じたのである。
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