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おしゃれの象徴だったアパレルの「買い物袋」 有料化から1年で各社の対応に差が:磯部孝のアパレル最前線(1/4 ページ)
2020年7月から全国一斉にレジ袋有料義務化が始まった。導入からおよそ1年が経過し、マイバッグやエコバッグ使用の浸透度合いやアパレル業界の対応、今後の課題感について取り上げてみたい。
2020年7月から全国一斉にレジ袋有料義務化が始まった。経済産業省によれば、国内のプラスチックごみを大幅削減させるというより、環境問題解決の気付きを目的としているようだ。導入からおよそ1年が経過し、マイバッグやエコバッグ使用の浸透度合いやアパレル業界の対応、今後の課題感について取り上げてみたい。
昨年はレジ袋有料義務化の影響からエコバッグが売れた。発売当初に売り切れてしまった無印良品のジュート素材のマイバッグやライフスタイル型セレクトショップとして人気のある「TODAY'S SPECIAL(トゥデイズスペシャル)」のマルシェバッグは定番商品としても人気が高い。
こうしたヒット商品の他にアパレルでは全世界的に「エコ」「オーガニック」「地球に優しい」「再生成分原料」などSDGsに沿ったコンセプトの商品が、多数売り場に登場している。
こうした動きをファッショントレンドとして見るのか、これからの未来永劫的な取り組として捉えるのか。アパレル企業の社会的な責任が問われることになろう。6月には金融庁と東京証券取引所がガバナンスコードを刷新する予定で、上場企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上の実現に向け、サステナビリティに関する開示を含めた取り組みなどが盛り込まれるようだ。さらに投資家からの厳しい視線が注がれることになりそうだ。
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