NFTアートの価値とは? 知られざる3つのメリット(5/5 ページ)
最近巷でNFTアートが人気を集めています。NFTアートとは何なのか(あるいはそもそもNFTとは何なのか)、この人気の理由は何なのか、今後どのようなことが起こりうるのか見ていきたいと思います。
今後のNFTマーケット予想
ブーム真っただ中のNFTまたはNFTアートですが、今後どのような展開が待っているのでしょうか。
現状NFT取引の多くが投機目的だと考えられていますが、このような面白いニュースは今後も引き続き盛り上がりをみせるでしょう。とはいえ最近の異常なまでの価格高騰はあと数カ月から1年の間に収束すると思います。
収束の要因は、デジタルコンテンツの著作権問題(自身が著作権を持っていないコンテンツに対してNFTを発行してしまう、購入したNFTコンテンツを無断で版権利用してしまう、など)や秘密鍵の紛失(NFTの取引には秘密鍵という一種のパスワードのようなものが必要になるが、再発行が不可能なので紛失するとブロックチェーン上の自身の資産にアクセスできなくなってしまう)、本人確認の難しさ(デジタルの世界で本当に作家本人が発行したNFTなのか特定が難しく、偽物が発生する可能性がある)、などさまざま可能性が考えられます。
しかしNFTマーケットが完全になくなるのではなく、こういった問題への対応策の整備が進むことで、取引も増え価格も安定し、着実にマーケットが形成されていくのではないでしょうか。
さらに他の技術と融合することでNFTは我々の生活に大きな影響を及ぼすでしょう。その1つの例がVRやAR技術です。VRやARが発達しリアルと見間違えるようなデジタル空間ができるようになると、現実世界での一点もののアートと同様にVR空間で一点もののNFTアートを鑑賞することが当たり前になります。このようにしてあらゆるコンテンツがNFTに登録されるようになると、NFTにひも付いていないコンテンツだと、ユーザーも不安になるような世界が思いのほかすぐ来るかもしれません。
筆者プロフィール:太田圭亮(おおた けいすけ)
スタートバーン執行役員 事業開発部長 兼 広報/PR室管掌。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。卒業後はスイスの建築設計事務所Herzog & de Meuronで建築家として、美術館やファッションブランドショップの設計に従事。2015年に経営戦略コンサルタントに転身し、ベイン・アンド・カンパニーの東京およびドバイ支社で大手企業の経営支援に携わる。2019年にスタートバーンに参画し、デジタル技術に関わる事業をはじめとして各事業を牽引している。
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