「ガンダムコラボ」に「サウナ専用」 なぜOWNDAYSはニッチな商品を展開するのか:店長の年収100万円増(3/4 ページ)
那覇市に本社を構えるアイウェアの製造販売OWNDAYSが、コロナ禍でも好調だ。この4年間で店舗数を約2倍に伸ばすなど積極的に規模を広げ、今後2年間でさらに200店舗の追加出店を目指す考えを示す。
コロナ禍だからこそ店舗数・人員を拡大
このように、ニッチな層を確実に射貫いた商品を展開するような挑戦的な経営は、従業員の待遇の充実や店舗数の急増にも表れている。コロナ禍で社会全体が不利になる中で、同社は今がチャンスとばかりに逆張り戦略を進め、着実に売り上げを拡大してきた。
その結果、店長職の年収水準を全国一律で平均100万円引き上げ、アパレルや飲食業界などから優秀な人材を積極的に集めている。関連して、今後2年で国内に100店舗、東アジア市場でも100店舗の追加出店をすることを表明した。ショッピングモールの空き店舗を中心に入居を進めることで、1週間当たり3〜4店舗を定期的にオープンさせている。
田中社長は「コロナの今だからこそ、良い人材を採用できるチャンスです。このタイミングで給与を上げると、目立つことができます」と、積極的に人を呼び込むとともに「裏を返せば、今いる店長に対するプレッシャーにもなります。外から優秀な人たちが入ってくるわけですから、求められる仕事に追い付かなければならないという意味では、100万円上げたからといって社員としては素直に喜べる話でもないのかなと思います」と社員の意識強化も同時に狙う。
また、現在は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しているものの、社内のメガネ製作技術を競う世界大会を例年開催しており、優勝者には賞金100万円が贈られる。この額は全世界一律で、国によってはその人の年収以上に相当することから、技術力の底上げや向上の動機付けにも一役買っている。
このような取り組みの他にも、感染症リスクを伴わない形で、視力測定機横の画面上に映る東京のスタッフが遠隔で客と会話しながら行う「リモート視力測定」や、DXによる生産性向上を進めた結果、売り上げは約210億円(21年2月期)と、堅調に勢いを伸ばしている。
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