「ガンダムコラボ」に「サウナ専用」 なぜOWNDAYSはニッチな商品を展開するのか:店長の年収100万円増(2/4 ページ)
那覇市に本社を構えるアイウェアの製造販売OWNDAYSが、コロナ禍でも好調だ。この4年間で店舗数を約2倍に伸ばすなど積極的に規模を広げ、今後2年間でさらに200店舗の追加出店を目指す考えを示す。
懐かしいCMとのコラボで機能性を訴求
同年7月に発売した形状記憶フレーム「Memory Metal(メモリーメタル)」のプロモーションでは、昔懐かしいテレビCMとタイアップした。それが「象が踏んでも壊れない」というキャッチフレーズで1967年に放映を開始したサンスター文具(東京都台東区)の「アーム筆入」だ。
アーム筆入のCM同様、象がメガネを踏む演出で、メモリーメタルの超弾性と型くずれしにくいフレームの特徴を表現した。また「形状記憶」を指す「Memory」に「思い出」という意味合いが含まれることも、懐かしいCMを起用したきっかけだという。
今年3月には、サウナ専用メガネを発売。高温多湿なサウナでも着用できるよう耐熱素材を使い、曇り止めコーティングを施した。錆を防止するため、パーツにネジを使わないといった同社初めての試みが生かされた形だ。オンラインショップでの取り扱いとなっており、他のアイテムと比べても売れ行きは好調だという。
20年前後は「空前のサウナブーム」と表現されるほど、サウナの人気が高まっている。サウナ好きの人は「サウナー」とも呼ばれ、サウナの暑さと水風呂の冷たさを繰り返して味わえる快感を表現する「ととのう」という用語も生まれている。19年にはサウナをテーマにしたマンガもドラマ化された。
同社の田中修治社長が自宅にサウナを作るほどのサウナ好きであることが発売のきっかけとなった。サウナ専門誌「サウナランド」が立ち上げ時にクラウドファンディングで資金を募った際、その返礼品としてOWNDAYSが作ったのが、このサウナ専用メガネだ。
積極的に展開する「コラボ商品」には共通点が
同社が積極的に展開するアニメやサウナとのコラボ。その背景には「絶対的な固定ファンがいる」という共通点がある。海外でも人気がある日本のアニメとコラボしたメガネは、シンガポールや台湾など、11の国と地域にも展開するOWNDAYSの客層にもマッチした。ガンダムモデルは台湾とシンガポールで特に人気があるという。
コラボモデルをシリーズで発表することで、メガネを1本だけではなく、コレクション的に複数本購入するファンもいる。重村さんは「海外の某航空会社のパイロットさんがガンダム好きで、コラボメガネを集めている様子をSNSにアップしてくれていました。日本のアニメ文化を通して海外の方とつながれるのは面白いです」と喜ぶ。
関連記事
- 1泊20万円超も コロナ禍なのに高級ホテルが続々開業するワケ
宿泊業の経営破綻や開業延期・中止などのニュースが続いているが、新規開業が目立ち鼻息荒いのが“高級”といわれるホテルや旅館だ。 - バブルの名残 温泉街の「大型施設」が廃墟化 鬼怒川と草津の違いと「大江戸温泉物語」の戦略
コロナ禍がもたらす温泉街への影響は甚大だが、「温泉の魅力」として考えさせられるのが“街づくり”という点だ。筆者は「施設そのもので集客できる強い宿は例外的で、温泉地の魅力自体が集客を左右する」と指摘する。 - 価格は「そのまま」なのに、なぜ沖縄のブルーシールは「容量20%増」に踏み切ったのか
沖縄のアイスクリーム専門店「ブルーシールアイスクリーム」を展開するフォーモスト・ブルーシールが、店頭販売向けのカップアイスをリニューアル。内容量を20%増量し、発売初日で「例年の1カ月分」の売り上げた。コロナ禍で沖縄を訪れる観光客数が激減する中、なぜ増量に踏み切ったのか――。山本隆二社長に聞く。 - なぜオリオンビールはアルコール度数「9%」を止めて「2%」の商品を首都圏でも発売したのか
キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ。国内ビール市場トップ4社だ。では5位はどこだろう。それがオリオンビールだ。若者のアルコール離れが叫ばれる中、国内シェア約1%の地方発ビール会社は新たな飲酒文化の創造に向けた挑戦を続けている。 - ワークマン 女子店の初の路面店を出店 12月には新業態も
ワークマンは、展開する「#ワークマン女子」初のロードサイド店となる「南柏店」を千葉県流山市に出店すると発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.