なぜオリオンビールはアルコール度数「9%」を止めて「2%」の商品を首都圏でも発売したのか:ECはリニューアルで売り上げ200倍(1/5 ページ)
キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ。国内ビール市場トップ4社だ。では5位はどこだろう。それがオリオンビールだ。若者のアルコール離れが叫ばれる中、国内シェア約1%の地方発ビール会社は新たな飲酒文化の創造に向けた挑戦を続けている。
キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ。国内ビール市場トップ4社だ。さて、では5位はどこだろう。それがオリオンビールだ。国内シェアはわずか1%だが、県内では圧倒的な強さを誇る。しかし、若者のアルコール離れなどもあって、2019年1月に野村ホールディングス(HD)と米投資ファンド、カーライル・グループが買収。7月には、カナダのスポーツウェア大手、ルルレモン・アスレティカの日本法人社長を務めた早瀬京鋳氏が社長兼CEOに就任。新商品の首都圏展開やECサイトの刷新などで県外への販路拡大にも力を注いでいる。
オリオンビールは沖縄が米軍統治下の1957年、具志堅宗精氏によって沖縄本島北部・名護町(現名護市)で「沖縄ビール」として創業。58年に一般公募によって商品名を「オリオンビール」とし、59年には製品の販売開始に伴い、社名も現在の「オリオンビール」に改めた。現在の持ち株比率は野村HDが51%、カーライル・グループが同49%となっている。
長らく「県民のビール」として親しまれ、同社のロゴを模したTシャツを身に着けて“沖縄気分”を高める県外からの観光客や、オリジナルスマホケースを使う県民もよく見受けられることから、オリオンビールは「沖縄らしさ」の象徴としてのアイコンにさえなっている。BEGINの有名曲「オジー自慢のオリオンビール」は、沖縄の陽気で楽しげなイメージを体現した曲として、宴会カラオケでの定番だ(コロナ禍で今はなかなか難しいが)。
そんな同社は、19年の経営陣の刷新以降を「第2の創業」と位置付ける。ビールや発泡酒以外の商品ジャンルでも積極的に新商品を打ち出すほか、県産素材を存分に生かした商品開発に力を注ぐなど、より「地元のビール会社」としての存在感を高めている。
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