ワークマンが「女子」に「プロ」と続々出店するワケ 女子店“本命”の路面店オープン(3/3 ページ)
ワークマンは6月17日「#ワークマン女子 南柏店」(千葉県流山市)にオープンする。これまで出店してきた駅チカの商業施設内の店舗とは何が違うのだろうか。オープン前の店内を取材してきた。
「#ワークマン女子」に「ワークマンプロ」続々出店するワケ
「SNSなどで話題にして頂いたこともあり、数年前から多くの一般のお客さまもワークマンを利用していただくようになった。一般客向け製品の取り扱い数を増やした『ワークマンプラス』の出店も始めたが、製品ラインアップは変わらないため、既存店はいずれも混雑するようになり、プロ向け製品を買い求めるお客さまが入店できない事態が起きていた。客層を分け、どのお客さまも快適に買い物していただけるように、より一般客に特化したブランドを増やす必要があった」(担当者)
プロ向け製品を買い求めるお客のため、既存店の駐車場は常に空けておく必要がある。しかし、一般向けの製品を買い求める客は作業客よりも駐車時間が約3倍長く、駐車場の混雑が常態化する店舗もあった。そこで一般客を同店へ誘導するため、従来店舗よりも駐車場を広くし、一般客がゆっくり買い物できるように配慮した。
12月に新業態「WORKMAN Pro」開設
また同社は12月に「WORKMAN Pro(ワークマンプロ)」の出店も計画している。運営方法やロゴ、売り場構成などは検討中としているが、「プロ」と付けることで作業客が入店しやすい店舗イメージを構築する狙いがある。#ワークマン女子が一般客に特化した店であるように、「プロ」では、作業客がより買い物をしやすい店を目指す。
ワークマンプロの1号店は東京都板橋区に出店する。なぜ板橋なのか、それにも理由がある。板橋区内には国内トップクラスの売り上げを誇る「ワークマン」がある。作業客の需要が高いエリアでプロ向け製品に特化した店舗を開設し、どこまで客層のすみ分けを図れるか検証するとしている。
ワークマンプロの1号店は新築での出店となるが、反響次第ではワークマンからの業態変更なども「あり得る」という。
コロナ禍でも好調のワークマン。#ワークマン女子は同店を皮切りに、今後10年で路面店を400店に増やす考えだ。業態を細分化し、一般客、作業客いずれの需要も逃さず取り込めるか、今後も注目だ。
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