やはり「電話」はいらないのか 不要論の背後に、皆が気付かない「力学」:“いま”が分かるビジネス塾(1/4 ページ)
ネット上で、たびたび「電話不要論」が話題になる。「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏が発言したことで、また盛り上がりを見せているが、なぜ両者の意見に食い違いがみられるのか。その背景にあるのは……。
「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏が、電話について「若い人が嫌がるのは当然だと思う」と発言したことが話題になっている。電話不要論は5年くらい前からネットで繰り返し議論されてきたが、いまだに盛り上がりを見せている。
電話に関していつまでも意見が食い違うのは、背景にある「力学」について多くの人が認識していないからである。電話の是非に関する議論は、基本的に立場が「強い」「弱い」、つまり権力を持っているかどうかに関係しており、最終的には格差問題につながっていく。
5年前から何度も議論されてきたテーマ
事の発端はひろゆき氏が「立場が強くて無能な人ほど電話を使いたがる。若い人が嫌うのは当然だと思う」と発言したことである。ネット上では、賛同する意見が出る一方で、何でも効率を優先すればよいというものではない、といった反対意見も多く見られた。
電話不要論は、5年くらい前からネット上で盛んに議論されてきたテーマである。本コラムでも取り上げたことがあるので、ネットをよく閲覧する人にとっては見飽きたテーマかもしれない(参照記事)。だが、ひろゆき氏は、最近、テレビという究極のマス媒体に活動の場を移しており、ネットの情報とは無縁だった人も同氏の意見を耳にするようになってきた(ネットの言論は今でも世間一般からすれば特殊な空間である)。
ネットではすでに飽きたと思われているテーマがこれほど話題になっているということは、全体からすれば電話論はまだまだホットなテーマなのだろう。
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