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「EV化で30万人が仕事を失う」説は本当か:“いま”が分かるビジネス塾(1/4 ページ)
EVの普及によって雇用が30万人失われる――。2月、このような記事が話題になったが、この数字は本当なのか。ガソリン車と比べEVは部品点数が少ないので、部品メーカーが淘汰されるのはほぼ間違いないが、その一方で……。
EV(電気自動車)の普及によって雇用が30万人失われる――。共同通信などが報じた記事が話題となっている。
当該記事に試算の明確な根拠は示されていないが、EVはガソリン車と比較して部品点数が少ないため、部品メーカーが淘汰されるのはほぼ間違いない。一方、自動運転システムの導入など、自動車業界のサービス産業化が進むことで、この分野の雇用は増える可能性が高い。実際のところ、EV化によって雇用にどの程度の影響が及ぶのだろうか。
日本はこれまで脱炭素に対してどちららかというと消極的だったが、国際社会の動きは激しく、欧州だけでなく中国や米国もそろって脱炭素に舵(かじ)を切ることになった。このため菅義偉政権は従来の方針を転換し、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言した。
これまでEVはバッテリーの価格が高く、同クラスの場合、ガソリン車よりも割高になるケースが多かった。ところが生産量の増大から規模のメリットが発揮され始めており、最新モデルではガソリン車と同程度か場合によってはそれ以下となっている。中国では45万円の小型EV「宏光MINI EV」が大人気となっているし、国内でも出光興産が低価格な超小型EVを今年中に投入すると発表しており、価格破壊が進む可能性が高まっている。
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