中小企業の今夏賞与の支給相場を予想する(1/3 ページ)
新型コロナウイルスが猛威をふるうようになって3度目の賞与がやってきました。この影響が、賞与にどう表われるのか占ってみました。
新型コロナウイルスが猛威をふるうようになって3度目の賞与がやってきました。この影響が、賞与にどう表われるのか占ってみました。
(本記事は5月7日時点の情報に基づいています)
景気の先行きは明るいのか
名目GDPは、直近の最悪期である2020年4〜6月期は511兆円で、感染拡大の直前である2019年10〜12月期の558兆円に比べて8.4%落ち込んでいました。しかし最新実績である2020年10〜12月期は551兆円で、1.2%減まで回復してきました。
日銀短観の業況判断指数(中小企業分)は、2021年3月調査ではマイナス12%でした。2019年12月調査のときの、プラス1%に比べれば悪化していますが、コロナ禍後の最悪期である2020年6月調査に比べれば、マイナス幅が6割以上縮小しています。2020年6月にしてもマイナス33%であり、世界金融危機直後の最悪期である2009年6月調査のマイナス49%と比べれば小幅なマイナスにとどまっています。
景気動向指数は、2021年2月は、一致指数と遅行指数はまだ感染拡大前の水準まで回復していませんが、数カ月先の景気を示唆すると言われている先行指数は98.7で、2020年1月の実績である90.1をすでに上回っています。
経常利益もコロナの影響を克服
法人企業の売上高は2020年4〜6月期に、過去30年間でほぼ最少の水準まで落ち込みましたが、10〜12月期はそこから14%ほど増えています。
経常利益は、コロナ禍が始まる前から減少傾向にありましたが、2020年4〜6月期は2019年10〜12月期に比べて75%も減少しました。
しかし2020年10〜12月期は、ほぼコロナ以前の水準まで回復しています。
ただし緊急事態宣言のあおりをまともに受けた「飲食サービス業」や、これへの主要な供給業者である「食料品製造業」などでは、経常損益が、世界金融危機のときでさえプラスであったにもかかわらず、今回はマイナスに沈み込んでいます。
日銀短観の経常利益(中小企業・実績見込)は、コロナの前後でいったん前年度比45.9%減まで減少しましたが、2021年3月調査では前年度比22.3%まで回復してきました。
雇用は回復に遅れ
関連記事
- 2021年、夏のボーナスはいくら? 経団連が第1回集計結果を発表
経団連が大手企業の夏のボーナスの第1回集計結果を発表。平均妥結額は前年比7.28%減の84万1150円。2018年以降、3年連続で減少した。 - 大阪の中小企業、夏のボーナスはいくら?
大阪に拠点を置く中小企業は、夏のボーナスをどのくらい支給するのだろうか。「支給する」と答えた企業は……。 - 「売り上げが落ちてもいいから、残業をゼロにせよ。やり方は任せる」 社長の“突然の宣言”に、現場はどうしたのか
「来年度の目標は、残業時間ゼロ」──社長の突然の宣言は、まさに寝耳に水の出来事だった。準備期間は1カ月。取り組み方は、各部門に任せられた。現場はどう対応したのか? - なぜ? YKKが「定年廃止」を決めた理由 65歳以上の評価・報酬はどうなるのか
YKKグループが4月、定年制度を廃止した。日本企業では、当たり前の制度として定着している定年だが、その廃止を決めた理由は何か。その背景を取材した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.