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“鉄道観光ビジネス”再起動、失われた2年間をどう取り戻すのか杉山淳一の「週刊鉄道経済」(9/10 ページ)

沖縄県を除く緊急事態宣言解除、新型コロナウイルスワクチン接種の進ちょくを見越して、鉄道旅行ビジネスが活気づいてきた。冷え切った観光需要を「元通り」にするには、「元通り」の商品展開では足りない。そこで「工場夜景ツアー」「観光急行列車」「おみやげ品割引」など、注目の事例を紹介しつつ、今後の新施策に期待したい。

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ワクチン接種済み証の提示で「おみやげ品2割引」

 大井川鐵道は7月1日から9月30日まで「ワクチン接種割」を実施する。対象は「新型コロナウイルスワクチンを2回接種した16歳以上」で、サービスを利用するためには新型コロナウイルスワクチン接種済証の提示が必要となる。

 蒸気機関車列車「SLかわね路号」または電気機関車列車「ELかわね路」に乗車すると、新金谷駅向かいのプラザロコ売店、または千頭駅売店で使える「2000円以上のお買い物で10%OFFクーポン」をもらえる。鉄道運賃そのものの割引ではないけれども、SLファン向けの商品として、Tシャツ、キャップなど高額商品もあるから、10%割引はとてもありがたい。

 大井川鐵道が運営する川根温泉ホテルは、2200円のランチバイキングが500円割引、520円の日帰り入浴を無料サービスする。実質的に1020円の割引だ。

 同ホテルのランチバイキングは盛り放題の海鮮丼をはじめ種類が多く魅力的。お子様用の離乳食も食べ放題というお茶目な仕掛けもある。窓から大井川鐵道の鉄橋が見えて、テーブルには列車の通過時刻表も設置されている。鉄道ファンにも温泉ファンにも食いしん坊にもおススメだ。

 私がキャッチした情報の中では、これが鉄道業界で最初の「ワクチン接種割」となった。今後は同様の割引サービスが増えていくだろう。


SL列車で人気の大井川鐵道

川根温泉ホテルのレストランは静岡県の老舗「天神屋」が手掛ける。地産地消をテーマとした山海の美味がそろう

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