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企業の意識を「性善説」に変えていけ 経費精算クラウドトップ「コンカー」の三村社長(4/4 ページ)

コンカーは国内経費精算市場のトップ企業だ。特に大手企業への導入で強く、金額ベースのシェアでは7年連続でトップ、シェアは50%を超えている。コロナ禍でデジタル化への関心が急上昇する経費精算。コンカーは、経費精算の未来をどう捉えているのか。三村真宗社長に聞いた。

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——請求書の電子化を次の柱として位置づけた。

三村社長 経費精算と同様に、請求書自体をなくす方向で準備をしている。請求書のフォーマットの標準化の動きがあり、我々は親会社のSAPとペポル(Peppol:電子インボイスの国際標準規格)に参画している。インボイスの処理系の単体売りはほとんどなくて、インフォマートとセットで、デジタル請求書を進めている。

 究極の段階はデータ・トゥ・データだ。現在はインフォマートを介しているが将来的にはオープンペポルに変わっていく。世の中に普及すれば、オープンペポルに則ったデータであれば、請求書がなくなる。

 当面はPDFや紙が残る。これらはAI−OCRを使って請求書データをデジタル化できるようにしている。アウトソーシングサービスの準備も進めている。請求書の宛先を、処理センターに送ってもらうだけで、スキャンしてデータ化、PDFであればPDFからデータ化する仕組みだ。


オープンペポルは国際的な電子インボイス(電子請求書)の標準規格だ

——経費精算と請求書の電子化は関連するのか。

三村社長 請求書がデジタル化されれば、領収書と同じアプローチが取れる。必要に応じて承認レスのプロセスも回せるし分析機能も充実している。請求書データを見ても、1枚1枚では分からないので蓄積して分析する。

 われわれは、分析は何歩も先を行っている。例えば「Concur Budget」、予算管理の機能だ。日本企業は間接費の予算管理が甘い。締めてから余った、足りなかったとなりがちだ。各部門で各費目の予算をExcelでプランニングするが、それが日々のオペレーションの中で振り返られることはまずはない。コンカーでは予算データを取り込んで、いくら予算が残っているのかを把握できる。

 例えば、東京営業部で出張費を管理していたとする。そこには経費精算処理する部分と、旅行会社経由で請求書払いになる場合がある。これはコンカーでは串刺し管理ができるので、予算管理が容易になる。

 支出の全体像をコンカーの中で捕まえることもできる。これは会計システムでもできるが、できるのは記帳が済んだあとで、粒度は会計科目レベルになってしまう。コンカーは発生源でそれをつかんでいるので、どこの部門で支出増が起こっていて、ベンダー払いがいくらで立て替え払いがいくらで、ということが分かる。

 例えば、海外出張で社員がいろいろなサイトを使って予約していると、購買先を集約できないので、会社としてはバーゲニングパワーが落ちてしまう。本来はばらばらに予約するのではなく、エアラインも1社に集約して、金額をコミットすることで値引き交渉も可能になるはずだ。

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