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企業の意識を「性善説」に変えていけ 経費精算クラウドトップ「コンカー」の三村社長(3/4 ページ)
コンカーは国内経費精算市場のトップ企業だ。特に大手企業への導入で強く、金額ベースのシェアでは7年連続でトップ、シェアは50%を超えている。コロナ禍でデジタル化への関心が急上昇する経費精算。コンカーは、経費精算の未来をどう捉えているのか。三村真宗社長に聞いた。
——エンタープライズの経費精算においてはトッププロダクトだが、中小中堅企業市場(SMB)にも進出しようとしている。
三村社長 チャレンジャーの立場だと思っている。その分、中小企業向けの「Concur Expense Standard」を投入している。競合各社の価格帯も分析して、価格的にはお得感が出るようにしている。強みが電子帳簿保存法への対応だ。
他社は「電子帳簿保存法対応はハードルが高いので様子を見た方がいい」、というスタンスが多いように見えるが、われわれは電子帳簿保存法の対応を進めている。法人カードとつながったり、PayPay、Suica、タクシーとつながったりと、エコシステムの強さが圧倒的に違う。
他社は、経費精算の実行系、処理に力点を置いているが、われわれは処理だけでなく分析にも力を入れている。経費精算はモニタリングすることで経費の削減にもつながるからだ。
現在エンタープライズはほぼ100%直接販売しているが、SMBは、リセールビジネスを強化し数社とリセール契約を進めている。非常に大きなプレーヤーが応援している。
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