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“株主体験”で企業のファンに STOCK POINTが挑むロイヤリティプログラム(1/3 ページ)

また一つ、面白い仕組みが登場する。ポイント運用を営むSTOCK POINT(東京都港区)がスタートするロイヤリティプログラムだ。企業と組んでポイントを発行し、そのポイントが企業の株価に連動して増減する。いわば、擬似的な株主になってもらうことで、その企業のファンになってもらおうという仕組みだ。

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 また一つ、面白い仕組みが登場する。ポイント運用を営むSTOCK POINT(東京都港区)がスタートするロイヤリティプログラムだ。企業と組んでポイントを発行し、そのポイントが企業の株価に連動して増減する。いわば、擬似的な株主になってもらうことで、その企業のファンになってもらおうという仕組みだ。

 「メーカーなどから声をかけてもらっている。企業の独自ポイントを提供して、ポイントは企業の株価に連動する。個人と企業をつなぐツールとして、実際の株を持たなくてもファンになってもらえる」(STOCK POINTの美好琢磨取締役)

 例えば、自動車メーカーを例に取ろう。新車を買ったユーザーに会員になってもらい、新車価格の1%のポイントを発行し付与する。ポイントはそのメーカーでの支払いにも充当できるが、キモはそのポイントを株価連動の運用に回せることだ。株価が上がればポイントの価値もあがり、株価が下がれば価値も減少する。企業の株価に関心を持ってもらい、ひいては事業を応援してもらおうという狙いだ。


STOCK POINTの土屋清美社長と美好琢磨取締役

広がる金融商品とマーケティングの融合

 フィンテック領域では、単に利益が得られる商品ではなく、企業のマーケティングと組み合わせたサービスが数々登場している。融資型のソーシャルレンディングを営むFunds(東京都港区)も、融資してくれるユーザーに企業側が特典を提供するマーケティング用途のファン作りを特徴としている。

 「人はお金を出すとその企業を応援したくなる。貸し付けをきっかけにファンを作っていく仕組みを提供する」とFundsの藤田雄一郎社長は狙いを話す。

 株式投資型クラウドファンディングのFUNDINNO(日本クラウドキャピタル運営)も、ファン作りを特徴の一つとしている。第三者割当増資などによって、未公開株式をユーザーに割り当て資金調達を行う仕組みだが、利用する企業の狙いの一つがファン作りだ。

 2020年5月にFUNDINNOを使って2500万円を調達した「いいオフィス」を運営する龍崎宏(崎は立つ崎)社長は、「2500万円は大きいが、お金よりもファンだ。クラウドファンディングの最大の意義はファンが作れることにある」とその意図を話した。

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