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【決算発表】コロナ禍で成長率鈍化も、「名刺の次」で見据えるSansanの成長ストーリー(2/3 ページ)

クラウド名刺管理サービスを提供するSansanは7月14日、2021年5月期通期の決算を発表した。新型コロナウイルスの影響を受けながらも粘り強く成長を続けた名刺交換サービス「Sansan」の実績と、クラウド請求書受領サービス「Bill One」の順調な立ち上がりが見られた。

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Sansanの今後の成長戦略は

 今回の決算発表で注目のポイントは大きく2点ある。

 1点目は国内でもワクチンの接種が進み、“コロナ後"が見え始めた売上成長率の見通しだ。Sansanは22年5月期の連結売上高成長率の見通しを、レンジ予想で+25%〜+28%と示した(今回の本決算の実績は+21.1%)。

 依然として新型コロナウイルスの影響を受けるも、成長率の再加速を掲げ、高成長SaaS企業への回帰の姿勢が伺えた。


今期の業績は再成長を掲げる

 2点目は、その成長加速の柱として期待されるクラウド請求書受領サービス「Bill One」事業の立ち上がり状況だ。

 Bill Oneは名刺管理サービスSansan、Eightに次ぐ第3の柱として、Sansanが注力しているプロダクトだ。20年5月にサービスをローンチし、Sansanが得意とするテレビCMでの露出なども増やしながら、契約件数は前四半期比73.2%増の239件に達し、急速にユーザーを獲得している。

 名刺交換を主軸としていたSansanにとって、請求書領域のサービスは一見「飛地ビジネス」とみる向きもある。一方で取材を進めるとBill OneはSansanの強みを生かしたビジネスであることが分かってきた。

 名刺管理サービスSansanの独自性は、アナログな“紙"の情報をデータ化し、共有・活用できる点にある。このデータ化にあたってはOCRでの読み取り精度の高さはもちろん、最終的な正確性を期すため、人的な確認やデータ処理が必要となる。

 Sansanは通常のSaaS企業であれば避けたい人的なオペレーション体制を構築し、名刺情報を「使えるデータ」にしてきた。この独自のノウハウこそが強みであり、それを再び生かしたサービスがBill Oneだと言える。

 Bill Oneは請求書の“受け取り"を一元的にデジタル化するサービスだ。

 請求書領域のSaaSでは、請求書の“発行・発送“をデジタル化するサービスが先行し、効率化が進んでいる。一方で、複数に渡る取引先から郵送やメール添付など異なるフォーマットで請求書を受領し、最終的に経理に反映させる作業には課題が残る。


Bill Oneサービスの概要

 この課題に対し、Bill Oneというツールに請求書の受領を集約し、Sansan側のセンターで情報をデジタル化することで、企業がクラウド上で一元管理することが可能となった。

 資料では99.9%の精度でデータ化することが示されているが、この正確性の裏にはSansanが培ってきた名刺読み取りのノウハウが詰まっている。現時点においてはARR数億円に満たないサービスと見られるが、今後Sansanの強みが如何なく発揮され、成長をけん引できるかに注目が集まる。

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