ファストリ、業績予想を下方修正 増収増益も国内・中国で販売に苦戦(1/3 ページ)
ファーストリテイリングは7月15日、2020年9月〜21年5月期の連結決算(国際会計基準)を発表。大幅な増収増益となった一方で、国内や中国の売り上げが計画を下回っているとして、今期の業績予想を下方修正した。
ファーストリテイリングは7月15日、2021年8月期第3四半期(20年9月〜21年5月)の連結決算(国際会計基準)を発表した。それによると、売上高にあたる売上収益が1兆6980億円(前年同期比9.9%増)、営業利益が2278億円(同72.1%増)、純利益は1513億円(同67.0%増)と、大幅な増収増益となった。一方で、国内や中国の売り上げが計画を下回っているとして、今期の業績予想を下方修正した。
セグメント別では、国内ユニクロ事業の売上収益は6751億円(前年同期比12.7%増)、営業利益は1195億円(同51.0%増)だった。上期は在宅需要にマッチした商品や秋冬コア商品の販売が好調だったことに加え、前年の業績のハードルが低かったことで、大幅な増収増益となった。
第3四半期連結会計期間の3カ月間は、Uniqlo UのTシャツ、感動パンツなどの夏物商品や、ラウンジウェア、ウルトラストレッチアクティブパンツなどの商品の販売が好調だった。一方、新型コロナウイルスの影響が想定以上に大きかったことに加え、商品の新しさやニュース性をお客に伝えきれなかったことで販売に苦戦。計画を下回る業績となった。
EC売上高は288億円(同2.3%増)だった。前年はECの売上高が急拡大したことが影響し、若干の増収にとどまった。2年前比では約5割増、売上構成比は15.8%だった。
既存店売上高は、前年同期比11.4%増で、客単価は0.2%増。3月は春物商品が順調に立ち上がり、ほぼ計画通りの売り上げとなった。しかし4、5月は、店舗の臨時休業や時間短縮営業の影響が大きく、店舗の売上高は計画を下回る結果に。
同社では3月12日から消費税の総額表示に対応するため、商品本体価格を消費税込みの価格として販売している。売上総利益率への影響を軽減するため、原価改善を進めてきた結果、第3四半期連結会計期間の3カ月間の売上総利益率は、0.5ポイントの低下にとどまった。
現在の原価率は2年前とほぼ同水準としていて、計画通りだという。素材の共通化や品番数のコントロール、生地のロス率の最小化などをパートナー工場と一体で進めた施策の成果だとしている。
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