生産性が落ちたので、海辺のホテルでワーケーションをしてみた:筆者の思わぬ「失敗」とは?(3/3 ページ)
なんだか最近、生産性が下がった気がする──そう思った筆者は、上司に相談して1週間のワーケーションを行ってみた。
筆者の思わぬ「失敗」とは?
おおむね快適に過ごせた1週間だったが、失敗点がなかったわけではない。
筆者は自宅を出発する際、ディスプレイ利用可の部屋を選んだから大丈夫だろうと、HDMIケーブルを持たずに家を出てしまった。しかし、部屋に備えついているテレビをディスプレイとして利用できるのみ。フロントにも確認したが、ケーブルの用意はなかった。
幸い、筆者は別の部屋で夫がワーケーションをしていた。夫はあまりディスプレイを使わないがケーブルは持ってきていたため、ほとんどの時間私がケーブルを使うことになった。
ワーケーションを実施する際は、家やオフィスから遠い場所で長期間働くので、当たり前だが忘れ物には気を付けたい。
単に「仕事に疲れていた」訳ではなかった!
宿泊費用は素泊まりで3万2780円、温泉施設が別料金で4000円(5日間のフリーパス)。食費や交通費も含め、使用したのは1週間で5万円あまり。通常の旅行からかけ離れた金額にはならなかったので、リフレッシュしたいが、コロナ禍であまり観光もできないし、長期間仕事も休めない……という際に、良い手段だと感じた。
実際、筆者の場合は下がっていたモチベーションが回復、ダルさを感じていた体調も改善した。こなした仕事量が増えたわけではないが、このようなヒーリングの効果を大きく実感した。
特に助かったのは、家事をする必要がなかったことだ。在宅勤務を始めたばかりの昨年春は、休憩時間に小まめに家事をしていた。しかし在宅勤務が長引くにつれ、仕事とプライベートの境界線があいまいになり、「たまっている家事をしなくては」「でも、この仕事も終わらせなくては」と常に追われているような気分になっていた。
そんな中、ワーケーションをしてみて、普段より仕事を楽しく感じた。旅先特有の気分の向上もあるだろうが、何より自分は「仕事に疲れていた」というよりも、「狭い自宅での、仕事と家事の両立に疲れていた」と気が付いた。
今、在宅勤務で疲れを感じている読者にはぜひワーケーションの検討を勧めたい。また、社員の疲れやモチベーション低下が気になる人事や総務担当者も、制度として導入を検討してみてはいかがだろうか。
関連記事
- 崩壊寸前だったVoicy 離職率67%→9%に立て直した人事責任者が語る“人事の本質”
日本の音声コンテンツ市場の先頭を走る、音声メディア「Voicy」。3カ月で利用者数が2.5倍になるなど、コロナ禍で驚異的に成長している。しかし、たった1年半前は離職率が67%にのぼり、組織崩壊寸前だったという。そんな中でVoicyに入社し、抜本的な人事改革を行ったという勝村氏。一体どのような改革を行ったのか──? - リモートワークを続けて1年、なぜ次第に生産性が落ちたのか? 原因は1つではなく……
リモートワークを続けて1年、業務に支障はないのに生産性が落ちてしまったH社。どのような要素を見直すべきなのだろうか? - 「ワーケーションで生産性が上がる」のはなぜ? ユニリーバの成功例
コロナ禍で注目され始めた「ワーケーション」。実際に、制度として取り入れている企業ではどのような変化が見られたのだろうか。ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの島田由香氏が事例を紹介する。 - 「退職者ネットワーク」は人材不足のIT企業を救うのか? TISの取り組みは
企業の離職者やOB・OGの集まりを指す言葉「アルムナイ(alumni)」。海外ではアルムナイを貴重な人材として捉える意識が浸透しているという。日本ではまだ聞きなれない言葉だが、大手システムインテグレーターのTISでは、「アルムナイネットワーク」を作り、退職した人たちとつながりを持ち続ける取り組みを行っているという。話を聞いた。 - 18等級設けた新しい人事制度、社員に納得してもらうにはどうしたらいいでしょうか?
社員が増えたため、18段階の等級を設ける新しい人事制度を導入した。しかし、社員からの納得感が低い──そんなとき、どうしたらいいのだろうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.