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売り切れ続出の「ファミマソックス」はなぜ誕生したのか 目指したのは“雨でぬれた時に買う”商品からの脱却:日本人の生活様式を変えたい(4/4 ページ)
今、若者の間で「ファミマの靴下」が売れている。ファミリーマートが展開する「コンビニエンスウェア」の一つ、「ラインソックス」だ。なぜファミマは衣料品の展開に力を入れたのだろうか。
おにぎりやコーヒーのようにインナーもコンビニで買う時代に
6月29日には、初のコラボ商品として「コカ・コーラ」のロゴをデザインした今治タオルを数量限定で発売。世界的に知名度のあるブランドとコラボすることで、コンビニエンスウェアの認知度をさらに高める狙いがある。
また発売時には、コカ・コーラの飲料製品を買うとコンビニエンスウェアに使えるクーポン券を配布するキャンペーンを実施(現在は終了)。ドリンクから衣料品まで取りそろえるコンビニの強みを生かし、ドリンクと衣料品を横断的に展開する試みを行った。
独自の店舗網と象徴的な商品で若者の心をつかんだコンビニエンスウェア。吉村氏は「日本人の生活様式を変えたい」と今後の展望を語る。
「つい数十年前まで、コンビニでおにぎりを買うわけがない。ドリップコーヒーを買うわけないと言われていた。しかし今では当たり前のように買われている。質の良いインナーもコンビニで買う習慣になれば、休日に衣料品店に行ってまとめ買いをしていた時間が浮き、家族で過ごす時間ができる。その結果、日本人の生活が豊かになるのではないか」
試着室を設置するスぺースがないコンビニで衣料品の多角化展開には限界がある。しかし、市場に求めらているニーズをきちんと押さえつつ、インナーソックスのような象徴的な商品を展開する戦略を進め、インナー市場でのシェア拡大を狙う。
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