孫社長「AI革命は間違いなく広がる」と熱弁 未上場AI企業への出資額、ソフトバンクGが世界の1割を占める:投資先は300社(2/2 ページ)
ソフトバンクGの孫正義社長は、2021年4〜6月期の決算説明会で「AI革命は間違いなく広がっていく」と強調。その思いは、ソフトバンク・ビジョンファンドの投資状況にも表れている。
AI企業に投資、「共に未来を創っていきたい」と孫社長
ソフトバンクGの業績に大きく貢献しているのは、ソフトバンク・ビジョンファンド(SVF)だ。ウィーワーク問題やウーバー上場後の株価下落問題、新型コロナウイルスの影響などにより20年4〜6月期の投資損益は2751億円と“受難の年”だった。一方、21年4〜6月期は6兆7276億円と大幅に改善した。
孫社長は保有株式価値から純負債を引いた時価純資産額(NAV)を最重要指標と位置付ける。現時点で同社が保有する株式価値は26.5兆円まで増加した。そして一時期、6割ほどを占めたアリババ株の比率は39%にまで低下。代わりにSVFなどの比率が増加し、34%に達した。
現時点で、SVF1号では92社に、SVF2号では161社、ラテンアメリカのベンチャー企業に投資する「LatAm」では48社に投資している。投資先の地域は米国が34%と最も高く、次いで中国を除くアジア(25%)、中国(23%)と続く。セクター別では、以前はライドシェアなどの交通の割合が大きかったが、コンシューマーサービス(28%)、交通(20%)、物流(17%)の順となった。
こうした投資先には未上場のAI企業も含んでおり、株式価値26.5兆円の13%を占める。孫社長は「インターネットは広告業界と小売業界を変革した。インターネット広告とECは世界全体のGDPの2%に当たる。AIはどうかというと、残りの98%を変革させる存在だ。AIは全ての産業を革新していくと信じている」と力強く説いた。その上で、「資本家としてのソフトバンクグループとAI起業家がビジョンを共有し、共に未来を創っていきたい」と述べた。
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